五島列島旅行記【6-2】さらば、五島列島
2022年5月7日(土) |
五島列島旅行6日目。
本日は最終日。五島列島南部の福江島から始まった五島列島の旅。久賀島、奈留島、中通島、若松島などを巡り、五島列島北部の小値賀島までやってきました。まだまだ巡っていないところもありますが、そろそろ帰る時間です。
9:45
1日借りたレンタカーを返却するため、小値賀港のターミナルに戻ってきました。今回お世話になったのは福崎レンタカーさん。「返却時はターミナル前の駐車場に停めておいてもらえれば良いよ、後で回収しとくから」とのこと。離島らしく、大らかな感じ。この感じは福江島や上五島ではあまり感じなかった素朴さかもしれません。
あわび館 小値賀港の近くでアワビのお勉強
10:05
帰りの船の出港まで時間があるため、小値賀港近くのあわび館を見学することにしました。
あわび館は、アワビやサザエの直売を行っているだけでなく、アワビ漁に関する展示などがされています。入館無料なので、ちょっと覗いてみることにしました。
吹き抜けの館内には、アワビの素潜り漁をする男性の姿!あまりにもリアルな人形だったので、二度見してしまいました。
1階が直売所、2階が展示室になっているようです。
こちらが2階の展示。アワビ漁に使用されていた漁具や漁の方法に関する展示を見ることができます。
かつては素潜り漁が主流だったようですが、現在の小値賀島ではアワビの養殖が盛んなようです。
展示として、アワビ料理の食品サンプルが並んでいたのは、なかなかシュールでしたね。
小値賀港にて帰りの船を待つ
10:30
小値賀港ターミナルに戻ってきました。こちらでお土産を買いつつ、帰りの船を待つことに。
元々、帰る手段としては、五島列島から博多港へ向かうフェリー太古を利用するつもりでした。しかし、ちょうどGW最終日である本日から約2週間はドックによる運休。やむを得ず長崎県佐世保市へ向かう高速船を利用し、佐世保からは鉄道を利用して福岡に向かうことにしたのです。フェリー太古は、毎年GW最終日からドックに入るようなので、GWに五島列島に出かける方は要注意です。
ちなみに小値賀港ターミナルには仮眠室があります。博多港発のフェリー太古が早朝4時台に小値賀島に到着するため、行き場のない利用者のために仮眠できるスペースが用意されているようです。仮眠室は男女別に分かれており、エアコンや毛布もあり、とても快適そう。
ターミナル内のお土産屋さんに小値賀島名産の落花生を使ったアイスがあったので、購入。船内でいただきましたが、控え目な甘さの中にも落花生の風味が感じられ、美味しかったです。
その他にもお土産として、小値賀産落花生を使ったピーナッツカレーも購入しました。
高速船「びっぐあーす2号」で小値賀島から佐世保へ
10:55
小値賀港に九州商船の高速船「びっぐあーす2号」が入港してきました。2艘の船を繋いだ双胴船という形状の高速船です。見るからに安定感のある船ですね。九州本土の佐世保市と中通島の有川、小値賀島、宇久島を結んでいます。
いよいよ6日間過ごした五島列島を離れる時。後ろ髪を引かれる思いでタラップを渡ります。
11:00
定刻より5分程遅れて、高速船「びっぐあーす2号」が小値賀港を離れます。
五島列島、また訪れたいですね。未踏の島がいくつもあるので、今回行けなかった島も訪れてみたいものです。
11:25
五島列島最北の島、宇久島の平港に寄港。
もう1日あれば宇久島訪問も出来たのですが、今回は休みをとることができませんでした。他の未踏の島と合わせて、次の機会に訪れてみたいですね。
宇久島を出港すると、もと来た航路を引き返すかのように南下。宇久島から佐世保へ直行する便もありますが、この便は中通島を経由して佐世保へ向かうようです。
途中、野崎島の西海岸付近を通過。前日歩いた野崎島の野首集落付近を望むことができました。
12:10
中通島の有川港に寄港。やはり中通島からの利用が多いようで、ここで多くの客が乗船しました。
中通島からは佐世保に向けてまっすぐ東へ。これで五島列島の地は見納めとなります。
しばらくは島も何もない海域を航行します。高速船の揺れが心地よく、佐世保に到着する寸前まで爆睡してしまいました。
13:35
目を覚ますと、九州本土、佐世保の街が目の前に迫っていました。軍港の街らしく、港には物々しい船が何艘も停泊しています。そして急な斜面に家々がビッシリと建ち並ぶ風景。佐世保らしい風景です。
13:45
小値賀島から3時間弱。長崎県第二の都市、佐世保に到着しました。五島列島から戻ってくると、大都会に感じられますね。
佐世保港があるのは佐世保駅のすぐ南側。岸壁沿いに歩いていくと5分程で駅に到着します。港と駅の間には「させぼ五番街」という複合商業施設があり、名物の佐世保バーガーやレモンステーキを食べられる店もあるため、ちょっと寄り道をするのもおススメです。
佐世保駅前の国道を歩いていると、非常に立派な教会がありました。この教会はカトリック三浦町教会。佐世保市を代表する建造物として知られています。
教会の前にある案内標識(青看板)には「五島(フェリー)」の文字。五島列島から約50kmも離れた九州本土に戻ってきましたが、五島列島の名残を感じることができました。
この後、佐世保駅から特急で博多へ。福岡空港から小牧空港、そして自宅がある長野県まで旅は続きますが、この旅行記はここで締めさせていただきます。五島列島があまりにも魅力的過ぎて、長々とした旅行記になってしまいましたが、ご覧いただきありがとうございました。
五島列島旅行記 完
ブログランキング参加中!クリックで応援をよろしくお願いいたします。

にほんブログ村
|投稿:2022.12.25 | 最終更新:2022.12.25 |カテゴリ: 旅行記
五島列島旅行記【6-1】最終日の小値賀ドライブ
2022年5月7日(土) |
五島列島旅行6日目。
本日は最終日。五島の地を離れ、自宅がある長野県まで帰らなければなりません。そのためには10:55に小値賀港を出港する船に乗る必要があります。残された時間は短いため、最終日は早起きをしました。
6:35
こちらが「島宿御縁」の朝食。
夕食に引き続き、野菜たっぷりのラインナップ。品数も多く、健康的かつ美味しいです。料理が自慢の宿と聞いていましたが、評判どおり、素晴らしい食事をいただくことができました。
■この記事の目次
1.笛吹の街並みを散策
2.柳漁港 納島、宇久島へ向かう定期便が発着する小値賀島第二の玄関口
3.長崎鼻 牛が闊歩する牧歌的な岬
4.五両ダキ 崖の下にヒッソリと存在するプライベートビーチ
1.笛吹の街並みを散策
2.柳漁港 納島、宇久島へ向かう定期便が発着する小値賀島第二の玄関口
3.長崎鼻 牛が闊歩する牧歌的な岬
4.五両ダキ 崖の下にヒッソリと存在するプライベートビーチ
笛吹の街並みを散策
7:20
まずは小値賀島の中心部である笛吹。小値賀島の玄関口でもある笛吹の街並が素晴らしいと聞いていたので、朝から散策してみようと思います。
おおおお、凄い…!
江戸時代に捕鯨基地として栄えた笛吹の町。江戸時代から昭和時代にかけての古い家々が残っています。古い家の間を縫うように、細い路地や階段が張り巡らされており、非常に散策しがいがある町です。
全体的に平坦な小値賀島ですが、笛吹の町は緩斜面に位置しているため、高低差のある街並みを見ることができます。全体がまるで迷路のようですね。
笛吹の集落内を夢中で歩き回っていたら、いつのまにか30分以上が経過していました。
柳漁港 納島、宇久島へ向かう定期便が発着する小値賀島第二の玄関口
8:00
小値賀島北部にある柳港にやってきました。
小値賀町の玄関口と言えば島南部の笛吹集落近くにある小値賀港ですが、北部にある柳港からも他の島へ向かう船が発着しています。
こちらが柳港。小値賀港のような大きな待合所は無く、かなりローカルな雰囲気です。
柳港からは同じ小値賀町内にある納島へ向かう小値賀町営船、さらには佐世保市の宇久島へ向かう佐世保市営の定期船が発着しています。
柳港からは納島(手前)と宇久島(奥)を眺めることができます。
納島は人口約20名の小さな島。ピーナッツやアスパラの生産が盛んなのだそうです。納島へ向かう定期船は日曜運休。今日は島へ行くことも島から出ることもできないんですね。近くに見えて、かなり遠い島なのだと感じました。
長崎鼻 牛が闊歩する牧歌的な岬
8:10
島の最北端に近い長崎鼻にやってきました。所々にある「長崎鼻」と書かれた小さな看板を見落とさないよう、細い道を進んでいくと到着。車が3台程停められる駐車スペースがありました。
こちらが長崎鼻です!
こちらは小値賀島の北部にある岬。ご覧の通り、岬周辺は牧草地となっており、肉牛が放牧されています。
牧草地の前には「開けたら閉める 牛が逃げます。」という看板が括り付けられたゲート。一応、ゲートを開けて進んでも良いようです。
ゲートの真横に牛がおり、かなり躊躇しましたが、サッと開けてサッと閉め、無事に牧草地に進入。牛は突然の侵入者にもまったく動じることなく、のんびりと草を食んでいました。
あとは、牧草地を歩き、長崎鼻の先端を目指します。視界270度に海が広がる雄大な景色ですが、牛糞がたくさん落ちているので、足元にも十分に注意しましょう。
長崎鼻の先端からは昨日訪れた斑島と斑大橋を一望することもできました。しばし、この絶景を堪能…。
長崎鼻の先端から車のところに戻ると、牛が激しく車に興味を示していました。柵があるとは言え、ここまでグイグイ来られると、かなり怖いですね…。
五両ダキ 崖の下にヒッソリと存在するプライベートビーチ
長崎鼻で絶景を楽しんだ後は、そのすぐ隣にある五両ダキへ。すぐ隣と言っても、直接向かうことはできないため、グルリと回り道をして向かいます。
五両ダキへ向かう道は上の写真で示した砂利道。「五両だき」と書かれた看板がなければ、この道にはなかなか入れないでしょう。すれ違いができないような砂利道を数百m進む必要があります。
こちらが五両ダキの入口。こちらも長崎鼻と同様に放牧地の中にあるため、ゲートを開けて進む必要があります。
左奥へ進んだところに、1~2台が停められる仮設駐車場がありますので、車はそちらに停めましょう。
8:45
放牧地を歩いていくと、断崖の下にひっそりと存在するプライベートビーチが現れました。こちらが五両ダキです。
「ダキ」とは小値賀の方言で「崖」のこと。こちらの崖は、かつての噴火口が波に侵食された結果、形成されたものだとされています。
周囲を崖に囲まれた秘境めいたビーチ。時間があれば、ここでノンビリと海水浴を楽しみたいくらい魅力的な場所でした。
次回は最終回。出港のギリギリまで、小値賀島を楽しみます。
ブログランキング参加中!クリックで応援をよろしくお願いいたします。

にほんブログ村
|投稿:2022.12.18 | 最終更新:2022.12.18 |カテゴリ: 旅行記
五島列島旅行記【5-4】小値賀島・黒島・斑島ドライブ
2022年5月7日(土) |
五島列島旅行5日目。
本日は午前中から午後にかけ、野崎島を観光。15:30に小値賀島に戻ってきました。小値賀島で観光することができるのは、翌日の10:55まで。あまり時間はないため、本日も夕食の時間までは小値賀島観光に費やすことにしました。
小値賀島は福江島や中通島に比べれば小さな島。日程に余裕があればレンタサイクルなどでも十分に周れる大きさですが、今回は観光時間が24時間もないため、レンタカーを利用することに。福崎レンタカーさんにて軽自動車を借りました。
上五島、下五島は「長崎ナンバー」ですが、小値賀島以北は「佐世保ナンバー」。道を走っていても観光地感が薄く、新上五島町から小値賀町に移動しただけで、随分と雰囲気が変わった感じがします。
小値賀島をドライブするうえで是非ともチェックして欲しいのが、こちらの牛の標識。肉牛の飼育が盛んな小値賀島。島内の各所に「牛に注意」という標識がありますが、何故か他の地域では見られないオリジナルデザインの標識を採用しています。眼光が鋭く、見ようによっては少し怖い…。
この標識をデザインしたマグネットやシールなどのお土産もあるので、気になる方はチェックしてみてください。
■この記事の目次
1.赤浜海岸 鉄分を含んだ火山島特有の赤い海岸
2.小値賀空港 教会を模したオシャレな空港は休港中
3.姫の松原 「日本の名松百選」にも選ばれた松並木
4.黒島 小値賀島のすぐ隣にある小さな島
5.斑島 小値賀島西部に浮かぶ小島で路地散策
6.ポットホール(玉石甌穴) 自然が造り上げた美しき玉石
7.島宿御縁 食事が美味しい小値賀島の旅館
1.赤浜海岸 鉄分を含んだ火山島特有の赤い海岸
2.小値賀空港 教会を模したオシャレな空港は休港中
3.姫の松原 「日本の名松百選」にも選ばれた松並木
4.黒島 小値賀島のすぐ隣にある小さな島
5.斑島 小値賀島西部に浮かぶ小島で路地散策
6.ポットホール(玉石甌穴) 自然が造り上げた美しき玉石
7.島宿御縁 食事が美味しい小値賀島の旅館
赤浜海岸 鉄分を含んだ火山島特有の赤い海岸
16:00
まずは小値賀島東部にある赤浜海岸にやってきました。
こちらが赤浜海岸です!
その名のとおり、赤い小石で形成された珍しい浜。何故こんな赤いのでしょうか。それは、この海岸にある石が、鉄分を多く含む海底火山の溶岩によって形成されているから。石に含まれる鉄分が酸化した結果、このような色になったのだそうです。
晴れていれば青い海と赤い浜のコラボレーションが見られるのだそうですが、残念ながら本日は曇天…。
小値賀空港 教会を模したオシャレな空港は休港中
16:15
赤浜海岸からさらに東へ、島の最東端近くにある小値賀空港にやってきました。そう、小値賀島にも空港があるのです。
こちらが小値賀空港。教会を模した可愛らしいデザインですね。レンガのような色をしているため、恐らく野崎島の旧野首教会をイメージしているのでしょう。
こんなオシャレな空港ですが、上五島空港と同様に2006年以来定期便が就航していません。2006年以降、長崎県との間で存続か廃止か、議論が進められているのだそうです。
姫の松原 「日本の名松百選」にも選ばれた松並木
16:45
島の中央部にある姫の松原に行ってみました。
こちらが姫の松原です。
小値賀島の中央部、島の南北に貫く道に沿って立派な松並木が延びています。「小さな島の松並木なので、きっと小規模なものだろう」とタカをくくっていたのですが、良い意味で予想を裏切られました。長さ450m。道の両脇に松の木がビッシリと建ち並び、まるで松のトンネルのよう。周りを海に囲まれ、高い山が少ない小値賀島では、この松並木が防風林としての役割を果たしているのだそうです。なお、この松並木は「日本の名松百選」にも選定されています。
黒島 小値賀島のすぐ隣にある小さな島
17:15
小値賀島のすぐ隣にある小さな島、黒島へ。黒島は小値賀島から僅か50m程しか離れていない島で、小値賀島とは短い橋で繋がっています。
こちらが橋の上から見た黒島(右)と小値賀島(左)。小値賀島の笛吹港の目の前に浮かぶ島です。橋を通ればものの数秒で渡ることができるため、小値賀島と一体化しているように見えますが、れっきとした島です。僅か0.24平方キロメートルという小さな島に、38人(令和4年現在)が暮らしています。
せっかく黒島を訪れたので、上陸の証として黒島公民館と黒島のバス停のセットの写真を撮っておきました。
黒島には、この他に黒島園地という、小値賀島を一望できる展望台があるそうです。
斑島 小値賀島西部に浮かぶ小島で路地散策
17:30
小値賀島から橋で渡ることができるのは黒島だけではありません。小値賀島の西に浮かぶ斑島へも、車で訪れることが可能です。
こちらが斑島と小値賀島とを繋ぐ斑大橋。全長は290m、1978年に開通した橋です。
斑島は人口約170人(令和2年現在)、小値賀町を構成する7つの有人島の中では、小値賀島に次いで人口が多い島です。
向かって右側には大きな港があり、その目の前にはビッシリと民家が密集しています。この港周辺の集落に、島民のほぼ全てが暮らしているようです。
斑大橋を渡ったところにある漁港の前に車を停め、斑島の集落を散策してみました。漁港の周りの緩斜面に民家がギッシリと建ち並んでおり、その間には細い路地が張り巡らされています。まるで迷路のようで、散策のしがいがあります。
所々に空き家はありましたが、何人かの住民と路地で出会い、活気があることをうかがい知ることができました。
散策途中、父娘に声をかけられました。どこから来たか、五島はどこを観光したか、長野県(僕の出身県)のことなど、色々とお話をさせていただきました。
こちらは斑漁港にあるちょっとした映えスポット、「斑漁港ハッピーメッセージ」。ささやかながら、漁港の防波堤にカラフルな魚のイラストやメッセージが書かれており、かたわらにはベンチが置かれていました。なかなか良い雰囲気の漁港。こんなベンチで休憩するのも良いですね。
先ほどの父娘は「明日は風が強いから」と、「ハッピーメッセージ」の隣のベンチを片づけていました。きっとこのイラストは、娘さんが書いたのでしょうかね。
斑島の集落、小さいながらも活気があり、とても良い雰囲気でした。
ポットホール(玉石甌穴) 自然が造り上げた美しき玉石
17:55
斑島最大の観光スポット、ポットホール(玉石甌穴)にやってきました。夕食の時間までには宿に行く必要があるため、今日の観光はここが最後になるでしょう。
ポットホールというのは、水流とその水流に乗った石の力で岩に空いた丸い穴のことで、「甌穴」とも呼ばれています。ここでは甌穴を造り上げた石が神様として祀られているようで、「玉石大明神」と書かれた鳥居が建っていました。
こちらが玉石様。
かつてはこの石が海岸近くの岩を丸く削り取ったのでしょう。この石自体も角が取れて球体状になっています。そんな玉石様が石の祠に収められていました。
海岸の岩場の方では、今まさに甌穴を削り続けている「現役の玉石様」がいらっしゃるとのことなので、見に行ってみましょう。歩道を歩いていくと、岩場の真っ只中に矢印がありますね。この矢印の下に甌穴があるようです。
こちらがポットホールです!
深さ3mの縦穴。そこには直径約50cmの玉石様が…!この石が穴の中で水流に揉まれながら、穴を深く削り続けてきたのですね。
波が高い日には、実際に玉石が回転するそうですが、さすがにそんな状況では穴を覗き込むことすらできないでしょうね…。
玉石様を拝み倒した後は、斑島を反時計回り一周しつつ宿へと向かいます。
途中、斑島の西海岸から美しい夕景を望むことができました。さすがは長崎県西部の島というだけあって、日の入りが遅いですね。18時過ぎだというのに、お日様はまだ高い位置にいました。
赤島、倉島、美良島など、小値賀町に数多く存在する無人島を一望することができました。せっかくなら日の入りまで待ちたいところですが、夕食の時間に遅刻してはいけないので、先を急ぐことにしました。
島宿御縁 食事が美味しい小値賀島の旅館
夕方にかけ、小値賀島、黒島、斑島を慌ただしく巡り、今夜の宿、「島宿御縁」にやってきました。
「島宿御縁」は小値賀港近くの高台にある、綺麗でアットホームな旅館。民泊が盛んな小値賀島ですが、「御縁」は比較的収容人数が多い宿です。食事が非常に美味しいという評判を聞いていたので、この宿を選びました。
こちらが「御縁」の夕食です。
食卓には小値賀の海の幸、そして野菜がズラリと並びました。
刺身はヒラマサとヤズ(ブリの若魚)。鍋物はヒラマサのあら鍋。小値賀島近海の魚介類をたくさんいただけます。
さらにはもつ煮、酢豚、チヂミ、大根のあんかけ風の煮物、切り干し大根の和え物など、肉や野菜を使ったおかずも目を引きます。特に、野菜はほとんどが小値賀島産。女将さん曰く、小値賀島は土壌が良く、様々な種類の野菜が採れるのだそうです。
美味しいだけでなく栄養バランスも良く、この宿に連泊するだけで健康になれそうな夕食でした。
次回、五島列島の旅も最終日。最後に小値賀島を巡ります。
ブログランキング参加中!クリックで応援をよろしくお願いいたします。

にほんブログ村
|投稿:2022.12.14 | 最終更新:2022.12.14 |カテゴリ: 旅行記
五島列島旅行記【5-3】日帰りで行く野崎島【後編】
2022年5月7日(土) |
五島列島旅行5日目。
五島列島の北部、小値賀島から町営船で野崎島にやってきました。野崎島一番の見どころである旧野首教会を見学。残った時間で野崎港周辺を散策したいと思います。
■この記事の目次
1.野崎ダム 旧野首教会の裏には、まさかのダム!?
2.野崎島自然学習塾村 野崎島唯一の宿泊・休憩施設
3.野崎火山火口跡 大迫力の大断崖が見られる火口跡
4.野崎集落周辺でシカを観察
5.町営船「はまゆう」で小値賀島へ戻る
1.野崎ダム 旧野首教会の裏には、まさかのダム!?
2.野崎島自然学習塾村 野崎島唯一の宿泊・休憩施設
3.野崎火山火口跡 大迫力の大断崖が見られる火口跡
4.野崎集落周辺でシカを観察
5.町営船「はまゆう」で小値賀島へ戻る
野崎ダム 旧野首教会の裏には、まさかのダム!?
旧野首教会のすぐ近くには、小さな離島では、ましてや無人島ではほとんど見ることができない施設が存在します。
それが野崎ダム!
「え?まさか住民が1人しかいない野崎島にダムがあるなんて…!」僕も実際に訪れるまで、半信半疑でした。
現地に行ってみると、確かにダムがありました。
2つの山の間にある僅かな谷地形に作られたダム。石で積まれた堤体の150m向こう側には海が広がっています。背後には世界遺産の教会、正面には海、そんなありえない立地に存在するのが野崎ダムなのです。
そんな野崎ダムですが、対岸の小値賀島に農業用水を送水するために造られました。全体的に平坦な小値賀島では水を得ることが難しいため、野崎島で集水し、海底を通したパイプラインで水を送り込んでいるというわけですね。なんという大胆なアイデア!
12:40
そんな野崎ダムを見下ろす場所に東屋があったので、そこで昼食をいただきました。お昼ご飯は中通島のスーパーで購入した蒸しパン。
野崎島には当然飲食店や売店などもないため、お昼は事前に買っておく必要があります。今回は船の乗り継ぎの都合上、小値賀港で食料を買う暇がなかったので、中通島で購入しておいて正解でした。
野崎島自然学習塾村 野崎島唯一の宿泊・休憩施設
旧野首教会の近くにある野崎島自然学習塾村。1985年に廃校になった小中学校を再利用した宿泊施設です。簡易宿泊施設なので食事は出ませんが、調理室があるため自炊は可能。また、1,000円で日帰り利用も可能で、休憩だけでなくシャワーや調理室を利用することができるようです。
今回は野崎島には3時間のみの滞在なので、利用はしませんでした。
行きに通った道を引き返し、野崎港方面へと戻ります。野崎港の周辺にも立ち寄っておきたい見どころがあるのです。
この写真は野首集落と野崎集落の間の峠のような場所から撮影したもの。ここからの眺めは本当に素晴らしいです。野崎島から約20km離れた平戸島も、ハッキリと見ることができました。
ここで余談。小値賀島や野崎島は五島列島の一部とするのが一般的ですが、平戸諸島の一部だとする場合もあるようです。イマイチピンと来ないですが、小値賀町が本土の佐々町と同じ「北松浦郡」であったり、ナンバープレートが佐世保ナンバー(五島市と新上五島町は長崎ナンバー)だったりと、平戸方面と結びつきが強いのかもしれません。
野崎火山火口跡 大迫力の大断崖が見られる火口跡
旧野首教会から野崎集落まで戻ってきたところで13:25。帰りの船の出港時刻までは、あと2時間弱。まだまだ余裕があるので、野崎集落の北の方にある野崎火山火口跡に向かうことにしましょう。
集落を一歩出ると、このようなフカフカの芝生が広がるエリアに出ます。まるでゴルフ場のよう。歩いていてとても気持ちの良い場所ですが、道が不明瞭でちょっと分かりにくいかもしれません。道に迷って即遭難ということはないと思いますが、所々建っている看板を目印に進みましょう。
こちらでも野崎集落の中で見られたような、シカによる食害と思われる跡を見ることができます。赤土が剥き出しになり、地面が徐々に崩れていっているかのような、少し不気味な光景ですね。
13:40
野崎集落を出発し、ゆっくりと写真を撮りながら歩いて約15分。野崎火山火口跡に到着しました。その名のとおり、こちらの断崖はかつての噴火口跡だと言われています。
切り立った断崖絶壁が湾状に続いており、確かに火口跡っぽいですね。眼下に広がっている海も透き通っており、非常に綺麗でした。
ちなみに正面に見える島は六島。令和2年時点で人口1名という、非常に小さな島です。
野崎集落周辺でシカを観察
14:00
野崎集落に戻ってきました。
狭い道の両脇には立派な石垣が積まれていますが、石垣の内側には朽ち果てた家々。建物の原形が残っていればまだ良い方で、更地になってしまっている家もありました。
旧野首教会を有するなど、キリスト教徒が多かったイメージのある野崎島ですが、ここ野崎集落では神道が信仰されていたそうです。
こちらが野崎島北部にある沖ノ神島神社の神官が暮らしていた屋敷。神官は野崎島最後の住人としても知られており、2001年までこちらで暮らしていました。
約20年前まで人が暮らしていたこと、またその後保存されていることから、この建物だけは現役の住居と遜色ない程度に保たれています。
見学することも可能なのですが、見学時間はビジターセンターのスタッフが施錠する時間まで。ビジターセンターでは「14時には鍵を閉めます」と説明されました。今の時刻は14:05。
あ…。
これは完全にウッカリしていました。まぁ後悔しても中に入ることはできないので、諦めることに…。この神官屋敷は見学可能時間がありますので、見学される方はビジターセンターでの説明をキチンと聞き、計画的に野崎島を巡るようにしてくださいね…。
残った時間は野崎集落内を散策しながら、シカを撮影しながら過ごしました。野崎集落内は非常にシカの密度が高く、ちょっと歩くとシカと出会うことができました。自然淘汰により、最盛期よりは数を減らしているものの400頭ものシカたちが暮らしているようです。
5月と言えども、3時間外を歩き回ると疲れますね。ヘロヘロになってきたので、出港の30分前には港の近くのビジターセンターに戻り、ベンチで休んでいました。
町営船「はまゆう」で小値賀島へ戻る
15:10
町営船「はまゆう」に乗り、小値賀島へ戻ります。
この船は小値賀島からやってきた最終便なのですが、工事関係者らしき方が数名下船し、軽トラに食料やらビールやらを積みこんでいました。きっと、長期に渡って泊まり込みで工事があるのでしょう。
往路と同じように、船内で切符を購入します。
あっという間に背後に遠ざかる野崎島。やや右側に見えているのが野崎集落、左側に見えているのが野首集落です。離れた場所から見ると、段々畑がクッキリと見えるので、まだまだ人が暮らしているように見えますね。
帰路の「はまゆう」では、船の後部にあるデッキの席を確保できたので、潮風を浴びながらのクルージングを楽しみました。
次回は小値賀島をレンタカーで巡ります。
ブログランキング参加中!クリックで応援をよろしくお願いいたします。

にほんブログ村
|投稿:2022.11.28 | 最終更新:2022.11.28 |カテゴリ: 旅行記
五島列島旅行記【5-2】日帰りで行く野崎島【前編】
2022年5月7日(土) |
五島列島旅行5日目。
五島列島南部の福江島から始まった旅、5日目にして、五島列島の北部にある小値賀島までやってきました。本日から1日かけて小値賀島と、その周辺に点在する小さな島々を巡りたいと思います。
最初のターゲットは小値賀島の東部にある野崎島。
中通島最北端の津和崎鼻からも見えましたが、野崎島は中通島の津和崎から600m程沖に浮かぶ島。大きさは小値賀島の半分程。五島列島の中では大きな部類の島ですが、実質的には無人島です。「実質的に」と書いたのは、野崎島に住民票を置いている方が1名のみいるため。この方は島にある野崎島自然学塾村の管理人であり、島にある教会の案内等のために駐在している方なんだそうです。
そんな野崎島ですが、五島列島の中でも人気がある島の1つ。その理由は、野崎島の集落が世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を構成する遺産の1つであるため。特に、集落に建つ旧野首教会は廃教会ながら、五島列島でも屈指の人気を誇る教会です。
今回は小値賀島を拠点とし、日帰りで野崎島を訪問する計画です。
野崎島を訪れるには事前連絡が必要
野崎島を訪れるにあたって注意点がいくつかありますが、何といっても重要なのが事前に「おぢかアイランドツーリズム」に連絡しておく必要があること。野崎島は「ほぼ無人島」。島を訪れたは良いけれど、帰り便が欠航となり島に取り残されるといったトラブルを避けるため、事前に訪問者を把握しておくということなのだそうです。
【参考】おぢかアイランドツーリズム
小値賀港ターミナルの建物の中には総合案内所があります。ここがおぢかツーリズムアイランド協会。野崎島に行くにあたり、こちらに荷物を預けることができます。野崎島内の移動は基本的に徒歩。スーツケースなど、重い荷物は邪魔になるため、こちらに預けさせていただきました。
野崎島へ向かう小値賀町営船「はまゆう」が発着しているのは笛吹港。小値賀港ターミナルからは徒歩5分くらい離れた場所に位置しているので、注意しましょう。
町営船「はまゆう」で野崎島へ
こちらが小値賀町営船「はまゆう」。かなり小さめの船ですが、50名以上も乗れるようです。「はまゆう」は小値賀港の隣にある笛吹港を拠点とし、小値賀島の周辺にある大島、六島、そして野崎島という3つの島の間を行き来しています。
かなりローカルな雰囲気で、切符は船内で船員さんから購入します。
船内はこんな感じ。3人がけの座席が並んでおり、非常に快適。デッキにも数席ほど椅子席があります。
11:10
我々と数組の観光客を乗せ、「はまゆう」が出港。教会を訪れる観光客を意識しているのか、「はまゆう」は荘厳なBGMを大音量で流しつつ、野崎島へ向かって進んでいきます。船が小型なので、波で結構揺れるのですが、そんなことはお構いなし。トビウオのように猛スピードで海上を駆け抜けます。
11:25
船は野崎島の南側をグルリと回り、野崎島の東岸へ。ここで船内放送。野崎島南端にあった集落、舟森集落跡が見えるとのこと。
なるほど、確かに険しい斜面を切り拓いたような跡があり、階段や石垣、さらには十字架のような物まで見えました。おおよそ人が暮らせそうな場所とは思えないほど険しい斜面ですが、確かにここでも生活が営まれていました。野崎島には3つの集落がありましたが、舟森集落が最も早い1966年に廃村になったのだそうです。
舟森集落へは、野崎島の港から徒歩で2時間の道のり。迷いやすいルートなので、ガイド同伴で訪れることが推奨されています。
「はまゆう」は野崎島の東側の海域に入り、いよいよ上陸の瞬間が近づいてきました。
そんな中、進行方向左側には立派な教会が見えました。
これこそが旧野首教会。野崎島中央部の野首集落跡にある、島のシンボル的存在です。確かに物凄い存在感。ただものではないオーラを身にまとった教会です。
11:30
野崎島に到着しました。小値賀島からの距離は近いですが、島の東側に回り込むので、20分くらいかかりました。
野崎港から旧野首教会を目指す
野崎島に着いたら、港の目の前にあるビジターセンターへ。島を訪れる場合は、必ずビジターセンターに立ち寄る必要があります。
同じ便で訪れたお客さん全員で、スタッフのお話を聞きます。基本的には野崎島の道の案内や、散策の際の注意事項、滑りやすい箇所なども教えていただきました。
なお、ビジターセンターには綺麗なトイレがあります。島内にはビジターセンターと旧野首教会近くにある野崎島自然学塾村にしかトイレがないため、ここで済ませておくことをおススメします。
野崎港の近くには野崎集落跡が広がっています。保存されている一部の家を除けば、全て廃墟となり、崩壊してしまっているものがほとんどです。
道自体は管理されているため、問題なく散策することができます。
帰りの便の出発時刻までは約3時間半。まずはこの島を訪れた一番の目的である旧野首教会へ向かうことにしました。
家も畑も自然に還りつつある何とも寂しい光景。やはり人の手が入らなくなると、どんどん植物に飲み込まれていくのですね。
所々植物も無く、土が剥き出しになっている箇所が…。これは増えすぎたシカによる食害なんだそうです。
港から数分歩くと集落が途切れ、森の中に入ります。森の手前には獣除けのための思われる金網。
野崎島にはシカとイノシシが生息しています。イノシシに出会うことはありませんでしたが、シカには何頭も遭遇しました。
早速森の中にシカ。シカはジッとこちらの様子をうかがっていましたが、すぐに森の奥へと消えていきました。
基本的にはどこの地域でも同様ですが、野生動物とは極力関わらないことがルール。可愛いですが、遠くから眺めるのみに留め、エサをあげたりすることは絶対にやめましょう。
ちなみに野崎集落を出たあたりから、急な上り坂が始まります。野崎港から旧野首教会までは徒歩で30分程度。そこまで長い距離ではありませんが、この辺りは少し息が切れました。
小高い峠のようなところを通るため、そこからの景色は抜群。野崎港の東側に広がる大草原を望むことができます。この草原は「サバンナ」と呼ばれているそう。確かにアフリカの草原を彷彿させる雄大な景色です。
眼下にはエメラルドブルーに輝く海。どちらを見ても絶景。疲れも吹き飛びます。
野崎集落から上り坂が続いていますが、野首集落の手前で峠を越え、今度は急な下り坂へと転じます。野崎港から旧野首教会まではほとんど全ての区間が舗装されており、坂は多いですが、割と歩きやすいです。野崎島自然学塾村の管理人や工事関係者が車で通行するためか、軽自動車が通れる程度の幅は確保されていました。
12:15
ビジターセンターを出発し、のんびり写真を撮りながら歩くこと約25分。ついに旧野首教会が見えました。
南北に細長い野崎島の中央部、2つの山に挟まれた僅かな平地。ここに野首集落があり、住民の心の拠り所として、野首教会がありました。家や畑はほとんど残っていませんが、教会だけは今でも大事に保存されています。
ちなみに左下に見えている建物が、野崎島唯一の宿泊施設であり、唯一の住民が住む野崎島自然学塾村。1985年に廃校になった小中学校を再利用した施設で、宿泊だけでなく有料で休憩をすることも可能です。
野首集落へ向け、急な下り坂をゆっくりと下り、旧野首教会に到着しました。
旧野首教会 住民が去った孤島に佇む荘厳な教会
12:25
こちらが旧野首教会です!
これは凄い…!特別大きいわけでも、特別豪華な造りというわけでもありませんが、言葉では言い表せない荘厳さ、迫力があります。周囲に何もないというシチュエーションも相まって、物凄い存在感を放つ教会です。
旧野首教会が完成したのは1908年。なんと明治時代に建てられた建物なのです。1971年に野首集落が廃村になってからは放置されていましたが、1989年に長崎県の指定有形文化財に指定され、修復されました。
なお、僕が訪れた2022年の5月時点では教会が崩落しているようで、内部への侵入が禁止されていました。中を覗き込んだ限りでは壊れている様子は無かったのですが、長い年月風雨に晒され、見えない部分が傷んできているのでしょうね…。
この教会を見るために海を渡り、30分歩いてきたので、しばらくの間教会を眺めていました。
次回は野崎島のその他の見どころを巡ります。
ブログランキング参加中!クリックで応援をよろしくお願いいたします。

にほんブログ村
|投稿:2022.11.17 | 最終更新:2022.11.17 |カテゴリ: 旅行記
| PAGE-SELECT | NEXT ≫