くじゅう連山などの火山が連なり、九州でも有数の温泉過密地帯となっている
熊本県と大分県の県境。有名な
黒川温泉や
長湯温泉、
筋湯温泉を初めとして、人気が高い温泉地が点在するエリアです。以前当ブログで紹介した
壁湯温泉もこのエリアにある温泉ですね。
今回は熊本県の北端、大分県との県境に程近い場所にある人気の温泉宿を紹介します。それが、わいた温泉郷にある「岳の湯温泉豊礼の宿」。
リーズナブルなお値段で、良質な温泉を楽しむことができる宿です。さらには地熱を利用して食材を蒸す「地獄蒸し」を楽しむこともできます。2021年のGW、豊礼の宿に一泊してきました。この記事では豊礼の宿の温泉、地獄蒸しについてなどを紹介していきたいと思います。
豊礼の宿とは?
今回紹介する「岳の湯温泉 豊礼の宿」は、熊本県の北の端、大分県と接する小国町にあります。岳の湯温泉の他にも、杖立温泉や奴留湯温泉など、温泉マニア垂涎の温泉地がたくさんある町です。
豊礼の宿は、近年人気が高まっているわいた温泉郷にあります。わいた温泉郷は、大分県との県境に聳える涌蓋(わいた)山の山腹にある温泉地の総称で、「はげの湯温泉」と「岳の湯(たけのゆ)温泉」の2つの温泉地に分かれています。名前が分けられていますが、2つの温泉地は歩いて行けるほど近接しています。
こちらが豊礼の宿。
わいた温泉郷の中でも比較的リーズナブルなお宿。豊富な湯量を生かした家族風呂、そして地熱を利用した地獄蒸しが楽しめることで有名な宿です。
宿泊だけではなく、日帰り入浴客も積極的に受け入れており、なんと温泉利用者は駐車場で車中泊をすることも可能なんだとか。キャンピングカーで旅をしている方など、車中泊派には嬉しいサービスではありますが、駐車場はほぼ満車で、オートキャンプ場のような騒がしさがあったので、個人的にはそこまで太っ腹にならなくても…という感じもしました。
元々の温泉の素晴らしさだけでなく、宿側の懐の深さもあり、非常に人気が高い宿となっています。
豊礼の宿に泊まるうえで、是非とも楽しんで欲しいのが、
その1つ1つについて、解説していきたいと思います。
豊礼の宿の家族風呂
豊礼の宿に泊まったら、是非とも家族風呂を利用してみてください。家族風呂は露天の檜風呂(1,500円/1時間)と露天の岩風呂(1,200円/1時間)、岩風呂(非露天)(1,000円/1時間)の3種類。なお、宿泊客であっても、家族風呂は別料金になっています。
家族風呂は非常に人気があるので、チェックインを済ませたら、早めに予約した方が良いでしょう。今回は露天の岩風呂を利用しましたが、GWだったので家族風呂が満室になっており、40分くらい待つことになりました。
さて、時間になったので家族風呂へ。駐車場の前にある受付で鍵を受け取ってから向かいます。
家族風呂は長屋のような建物に入っており、露天の岩風呂だけでも6室あります。自分が割り当てられた浴室の鍵を開けて、いざ入湯!!
…と思いきや、お湯がない!!
ええ、茶番です。事前に分かっていたんですけどね…。
実はこちらの家族風呂は1組が利用するたびにお湯を抜いて掃除がされるようです。湯量が豊富だからこそできるサービスですね。
浴室の入口横に、何やら怪しげな機械が取り付けられています。ここに料金を投入すると、お湯が出る仕組みなんです。お釣りは出ないので、ピッタリ払えない場合はあらかじめ受付で両替を済ませておく必要があります。
お金を投入すると、湯口から勢い良くお湯が流れ始めました。洗い場が1つだけ付いているので、お湯が溜まるまで体を洗いながら待ちます。
それにしても、物凄い勢いです。湯船も2~3人用の小さなものですので、10分程度でお湯が溜まりました。
さて、お湯が溜まりました!
うっすらと青みがかった美しい濁り湯。お湯は少し熱めですが、一度身を沈めてしまえば気持ち良く浸かることができます。ほんのりと硫黄の香りを感じることもできました。
お湯も素晴らしいですが、目の前に広がる風景もまた素晴らしいもの。涌蓋山を初めとする山なみが眼前に広がります。
この名湯と絶景を、1時間満喫させていただきました。風呂から上がる際には、底にある栓を抜き、お湯を排出しておきましょう。
ちなみにこちらの家族風呂、日帰りのお客さんも24時間入浴可能なんだそうです。さ…サービス精神が旺盛すぎじゃないすか…!?
豊礼の宿の大浴場
豊礼の宿には、家族風呂の他に男女別の大浴場があります。入浴可能時間は以下のとおり。
宿泊客:6:00~23:00
日帰り入浴:8:00~19:00 (日帰り入浴の料金は500円)
こちらが大浴場です!
内湯は無く、大きな露天風呂のみという大胆な造り!屋外ではありますが、しっかりと洗い場は設置されています。
大きな湯船には青みがかったのお湯がかけ流されています。湯船が広い分、家族風呂よりも温めという印象。温めが好みの方は、こちらの方が気に入ると思います。こちらのお湯も硫黄臭漂う本格派!あまりに気持ち良かったので、深夜と早朝の2回入浴しました。深夜と早朝は、宿泊客のみが入浴可能な時間なので、ゆったりと浸かることができました。
豊礼の宿で地獄蒸しを楽しもう
豊礼の宿は、素泊まりの宿。その代わり、地熱を利用した釜で地獄蒸しを楽しむことができます。
こちらが地獄蒸し器。立方体の釜がズラリと並んでおり、蒸気がもうもうと立ち上っていました。宿泊客、入浴客は無料で利用することができます。
食材は基本的に自分で持ち込む必要がありますが、定番の食材(卵、鶏肉、ソーセージなど)であれば、豊礼の宿の売店でも購入可能です。僕は、小国町の中心部にある
フレインというスーパーで食材を調達してきました。
宿泊者専用の地獄蒸し器も3つ用意されています。
地獄蒸しは人気があるうえ、食材によっては長い蒸し時間が必要です。タイミングによっては順番待ちになってしまうこともあるので、宿泊者専用のものがあるのは嬉しいですね。
使い方はいたって簡単。
まず、用意されているプラスチック製のザルに食材を入れて、蒸し器に入れます。蒸し器の中に手を入れると火傷してしまうため、ザルには紐が付いています。
なお、プラスチックのザルの中に鉄製のザルが入っていますが、これは衛生面を考慮し、自前で用意したものです。不特定多数の宿泊客が利用するものなので、気になる方は用意しておくと良いかもしれません。
食材が入ったザルを蒸し器にセットしたら、木の蓋を閉め、バルブを開きます。そうすると勢い良く蒸気が噴出し始めます。あとは蒸し上がるのを待つのみ!
蒸し時間は食堂の壁に貼られています。
卵:7分
肉類:20~30分
芋類:30~40分
魚介類:30~40分
キノコ類:30分
など
今回は色々な食材を蒸しましたが、非常に参考にさせていただきました。
今回蒸したものを軽く紹介しましょう。
卵(左上)、豚バラとタマネギとキャベツの重ね蒸し(右上)、鶏もも肉(左下)、タマネギとジャガイモ(右下)。
アスパラとウインナー(左)、エリンギと半熟卵(右)。
地熱で蒸し上げる食材は、手の込んだ味付けは必要ありません。今回は岩塩、ブラックペッパー、醤油、ポン酢を持参しましたが、それらをちょっとかけるだけで、非常に美味しくいただけました。
温泉のパワー、恐るべしですね。
なお、宿泊客はこちらの食堂を利用することができます。4人がけのテーブルがいくつか並んでいて、コロナ対策として、それぞれのテーブルの間にはビニールカーテンがかけられていました。
なお、日帰り客用の食事スペースとして、屋外に東屋が用意されていました。
こちらが食堂に併設されているキッチン。ガスコンロや水道に加え、調理に不自由しない程度の調理器具や食器が揃っています。コンロと水道は2台ずつ。宿泊客が共同で使うものなので、譲り合って利用しましょう。
地獄蒸し、初めて体験しましたが、キャンプのようで楽しかったです。特に岩塩でいただく蒸し鶏が美味しかったですね。
豊礼の宿のお部屋
豊礼の宿のお部屋を紹介します、
今回は和洋室(定員2名)に泊まりました。ダブルベッドが付いた畳のお部屋です。こじんまりとした部屋ですが、ビジネスホテルのツインルームよりは広い感じ。テレビと冷蔵庫、洗面台、小さなちゃぶ台がありました。食材やお酒を持ち込んだので、冷蔵庫が付いていたのは嬉しかったですね。
なお、トイレは部屋に付いていないので、共同トイレを使用する必要があります。
この他にも和室、洋室もあります(どちらも定員2名)。大人数で泊まる方用に、定員が6~8名の特別室もあるようです。
豊礼の宿へのアクセス・駐車場情報
車でのアクセス
■大分道の九重ICから約30分
■大分道の玖珠ICから約40分
駐車場は結構な広さです。ただ、訪れた時はGWであったため、満車になってしまっており、駐車場の入口で入場制限をしていました。宿泊者は、駐車場入口で誘導員に氏名を告げることにより、優先的に駐車することが可能です。
バスでのアクセス
■福岡市の西鉄天神バスターミナルから九州産交バスの黒川温泉行きに乗車し、約2時間半。「ゆうステーション」で下車。「ゆうステーション」バス停から豊礼の宿まで送迎可能(要予約)
※博多バスターミナルや福岡空港、大分県の日田バスターミナルなどからも乗車可能
※熊本駅、阿蘇駅、由布院駅や別府駅を経由する九州横断バスでも黒川温泉に行くことも可能ですが、2021年現在、新型コロナウイルスの影響で運休しているようです。
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