夫婦の島旅~三河湾三島編~ 【2-2】アートの島、佐久島をお散歩
2018年1月7日(日) |
黒壁の西集落を歩く
11:46
お隣の日間賀島から約2時間半をかけ、佐久島に到着。
港の周りには…見事に何もない。一見民家のような休憩所と飲み物の自動販売機が1台、だだっ広い駐車場、漁業用の倉庫…。そんなものだ。
佐久島は三河湾三島の中では最も大きな島で、面積は篠島や日間賀島の2倍以上であるが、人口は他の島の5分の1にも満たない約250人(2013年時点)。過疎に悩む島なのだ。
クロワッサンのような形をしており、両側の先端部にそれぞれ港と集落がある。今回は西港にある西集落から歩き始め、島内を散策しながら東集落へと向かい、東港から帰る予定。帰りの船は14:50溌なので、島内散策に費やせる時間は約3時間だ。近年「アートの島」として名を馳せるこの島。島内のあちこちに点在するアート作品を巡ってみよう。
レンタサイクルという選択肢もあったのだが、歩いて周ることにした。
港から歩いてすぐに、黒い家並みが姿を見せ始める。「三河湾の黒真珠」とも評される西地区の黒壁集落だ。潮風から家を守るため、壁にコールタールを塗っており、このような色をしているのだそうだ。
集落に入ってみると狭い路地が入り組んでおり、まるで迷路。パンフレットの地図を片手に歩いても迷ってしまいそうだが、分かれ道には名所を記した看板があるので安心だ。それにしても、ノンビリと家並みを眺めながら路地を歩くのは本当に楽しい。
一方で、空き家が多く、集落がシンと静まり返っていたのが気になった。道ですれ違うのは観光客がほとんどで、島人と会う機会は数える程。過疎化に直面する島にアート目当てで押し寄せる観光客(自分もそうだが…)。アートは島の未来を変えることはできるのだろうか?
西集落の外れにある、目を付けていた食堂を訪れてみたが、残念ながら「準備中」だった。
なお、狭い路地が入り組んでいる集落内においては、自転車は押して歩くことになっている。島内のあちこちに写真のような駐輪場があるので、レンタサイクルで観光する場合は、駐輪場を拠点にして集落内は徒歩で散策するのも良いだろう。
アートを巡りながら東へ
12:20
砂浜にあるアート作品、「おひるねハウス」。佐久島で最も有名なアート作品と言っても過言ではないだろう。当然大人気スポットとなっており、記念撮影をするために行列ができていた。我々もその群集に混じり、パチリ。
梯子が用意されており、9つの“部屋”に入ることができるのが楽しい。暖かい時期などは、細長い“部屋”の中でゴロリと横になって、潮風を感じながらお昼寝したりなんかしたら気持ち良いだろう。空いていれば…だけど。
「おひるねハウス」を堪能したところで、進路を東へ。昼食にありつけていないのが辛いところだが、東集落には飲食店が数軒あるようなので、そこに望みを託そう。
島の東西を結ぶメインルートを歩き、東集落へ向かう。2車線幅の広い道だが交通量は少なく、時々軽トラ、原付に乗った地元民、自転車や徒歩の観光客が通るくらいだ。
陽射しが暖かく、ノホホンとした気分で歩く。
12:35
メインルート沿いにあるアート作品、「クラインガルテン ウェルカムスペース」。色鮮やかなタイル作りのベンチとモニュメントが印象的だ。見ても良し、座っても良しな、万能なベンチだ。
アートには造詣が深くないため、小学生並みの感想しか出てこないのが悲しい…。
さらに進むと、誰が置いたのか、道端に海老反りになった仮面ライダーがいた。後ろのボードには「タコ漁の今と昔」。アート作品とは関係ないのだろうけど…シュールだ。
篠島のスパイダーマンと同じように誰かが遊び心で置いたのかな…?…となると日間賀島にはウルトラマン辺りがいそうな気が…。
12:45
天神の浜に到着。西集落と東集落のちょうど中間点にあたる場所にある。弓形の浜に下り、波打ち際を歩いてみる。驚くほど水が綺麗。そして、対岸に工業地帯が見えているのが不思議な程に静かだ。
天神の浜近くに海を直角に渡る珍しい橋があったので、渡ってみる。デザインや架かっている場所から考えると、恐らく観光用の歩道橋だろう。
この橋を渡った先に、「カモメの駐車場」という謎のアート作品があるらしいが……。
!?
んんっ!?
えええええええ!?
防波堤の上に整然と並んだカモメのパネル!!シュールだ!!シュール過ぎる!!
よくよく見るとポールとカモメの接続部は蝶番になっている。風見鶏のようなもので、風が吹くとカモメの向きが変わるのだろう。残念ながら風はほとんど吹いていなかったが、強い風が吹けばカモメたちが一斉に動くのだろう。……ちょっと見てみたいぞ…。
有名で万人受けしそうなアートは「おひるねハウス」だと思うが、私としては断然「カモメの駐車場」を推したい。自分の中での「アート」という概念を木っ端微塵にされた気分だが、そもそも「アート」とは自由なものなのだろう。そんな衝撃の出会いをしたい方は、是非とも「カモメの駐車場」を訪れて欲しい。
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|投稿:2018.03.02 | 最終更新:2019.11.09 |カテゴリ: 旅行記