夫婦の島旅~三河湾三島編~ 【終章】
2018年1月7日(日) |
アートを目指してただただ歩く
佐久島随一のシュールなアート、「カモメの駐車場」を見たところで12:55。残された時間は約2時間。そろそろ空腹も限界だったが、イラストマップ上に気になるアートがあったので、昼食前に寄り道をすることにした。
そのアートがあるのは、佐久島の北海岸。現在地の南海岸からは小高い山を越えて行く必要がある。島のくびれた部分を横断するので大した距離ではないが、2日連続歩き回っている足には地味に堪える。
ザックリとしたイラストマップを頼りに、緩やかな坂をえっちらおっちら登ってゆく。
とうとう舗装が途切れる。進入するのに一瞬躊躇したが、ここまで来たらアートを見ずには戻れないだろう。
人気のない森の中の砂利道をずんずん進むこと約5分。目的のアートが見えてきた。
13:15
その名も「北のリボン」!!
伝説の遊具、タコさん滑り台のようなフォルムだが、モチーフはあくまでもリボンだ。リボンになっている部分はスロープになっており、登ることができる。てっぺんからは海を眺めることができるというオマケ付きだ。
…と、文字におこしても非常に分かりにくいアート。気になる方は是非とも現地でご覧いただきたい。
なお、このアートは他の作品と地理的に離れているからか、観光客の姿は見なかった。
同じ道を戻るのも芸がないので、帰りは北海岸沿いの道を選ぶ。防波堤と一体化した、海との距離が非常に近い道。レンタサイクルで走ったら気持ち良さそうだ。
対岸には愛知県有数の温泉地、西浦温泉の旅館群。目をこらせば遥か遠くに雪を抱いた山々を望むことができた。天気に恵まれて、本当に良かった。
東港近くの食堂で絶品あさり丼
13:35
ヘトヘトになりながら、ようやく東集落に到着した。アートをたくさん観て心は満たされたが、腹はスッカラカンだ。
イラストマップに記載された飲食店を1つずつ覗いてみるが、残念ながら暖簾はかかっていなかった。海水浴シーズン以外は店を閉めている場合が多いようだ。
東港近くまで来て、ようやく営業中のお店が2店舗。そのうちの1つ、鈴屋食堂の暖簾をくぐる。
懐かしい雰囲気の店内では島民らしきお客さんと女将さんがおしゃべりに花を咲かせていた。良かった…。これで昼食にありつける…!
壁に貼られたメニューの中に、「新鮮なさしみ(700円)」という文字を見つけたので注文する。
マグロ、イカ、タコにタイらしき白身魚。量はやや少ないが、お手軽な値段だ。クイッと日本酒でもいきたかったが、一色港に戻ったら自宅まで運転しなければならないので、ここは我慢。
こちらがメインディッシュ。私が「大アサリ丼(700円)」(上)、嫁が「エビ丼(700円)」(下)をいただく。佐久島特産の大アサリとエビを大胆にも卵とじにした贅沢な一品だ。これを700円というお値打ち価格で食べられるのが嬉しい。
大アサリは実はアサリではなく、ウチムラサキというまったく別の種。通常のアサリよりも二回り程の大きさを持ち、食べ応えがある。サイズがデカいと味が大味になるというわけではなく、とても美味しい。
さらば、佐久島
腹を満たしたことだし、残った時間はアート巡りに費やそう。
14:05
東港近くにあるアート作品、「イーストハウス」。こちらも佐久島のアートの中では、よく知られた存在だ。「西のおひるねハウス」、「東のイーストハウス」と言ったところか。
確かにSNS映えしそうなフォルムだなー、と眺めたり階段を上り下りしたり。ノンビリしていると、若者たちの集団がガヤガヤとやっていた。彼らと入れ替わるようにして、「イーストハウス」を去る。
船の出航時間が迫っているが、もう1つ見ておきたいアートがある。そのアートは島の東の先端部にあるので、往復するとそれなりに時間がかかりそうだ。速足で向かう。
14:35
〆のアートはこちら、「佐久島の秘密基地/アポロ」。島の端っこの森の中にヒッソリと佇む様は、確かに秘密基地っぽい。
何故アポロなのかはよく分からないが(宇宙っぽい斬新なデザインだからか?)、形が非常に面白い建物だ。中肉中背の大人がギリギリ通り抜けられるくらいの入口から一歩中に入ると、意外にも広い空間が広がっている。その名の通り、秘密基地っぽさ満点だ。「おひるねハウス」の時も思ったが、ここで昼寝をしたら気持ち良さそうだ。
さて、出航時間まであと10分あまり。港までの道のりを小走りで向かう。すぐに船が見えてくるのだが、湾になっているため、岸辺をぐるっと迂回していかなければならないのがもどかしい。
ハァハァ。さすがに2日間島を歩き回った後のランニングは堪える…。
14:45
走った甲斐があり、何とか出港5分前に乗船。さすがに日曜日の午後の便。結構な混雑だ。船室内は満席らしく、甲板にまで客が溢れ出していた。
一息ついていると、我々よりもギリギリ乗船の方々が乗ってくる乗ってくる。
…というわけで、今回の旅一番の乗船率となった状態で出港。静かに佐久島と別れを告げられるわけもなく、大騒ぎの家族連れに挟まれながら遠ざかりゆく東集落を見送る。
結局佐久島も慌ただしい散策になってしまったな…。アート作品も、半分も周れていないので、またリベンジするのも良いかもな。
…なんて感傷に浸る間もなく、佐久島西港に寄港。
…って、そんなに乗るの!?西港の桟橋にはまさかの行列が!
西港からも家族連れやグループ旅行の人たちがドヤドヤと乗り込み、小さな高速船は難民船状態!すし詰めの船内などお構いなしと言わんばかりに船は加速し、日が傾きかけた三河湾をトビウオのように進むのであった。
夫婦の島旅~三河湾三島編~ 完
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|投稿:2018.03.05 | 最終更新:2019.01.15 |カテゴリ: 旅行記