紀伊半島の秘境で野猿を楽しもう!(奈良県十津川村)
紀伊半島の秘境、十津川村で野猿を楽しむ
奈良県南部、山深い紀伊半島の真っ只中にある十津川村。日本一面積が広い村として知られ、東京23区よりも広い村です。広大な山林と深い谷が村域の大半を占める秘境である一方で、豊かな自然を求めて多くの旅行者が集まる観光地でもあります。
温泉やキャンプ場、滝、吊橋など、広い村内には魅力的な名所が数多く存在しますが、今回はその中でも十津川村ならではの面白いスポットを紹介します。
それがこちら。その名を「野猿」と言います。
「野猿」とは、十津川村に古くから伝わる人力のロープウェイのこと。両岸から張られたワイヤーに「やかた」と呼ばれる籠が付いた極めてシンプルな乗り物です。以前は橋がかかっていない集落もあり、「野猿」は生活の足として欠かせない物でした。現在では日常的に使われることはありませんが、観光用に保存されており、実際に乗ることもできます。
さて、「野猿」に乗ってみましょう。「野猿」は1人乗り。大人の身長だと頭をぶつけてしまいそうな程の小ささですが、身を屈めて乗り込み、中で座ります。お、座ってしまえば意外と乗り心地が良いぞ。
乗り込んだら、落下防止のバーを下げ、いざ出発です。
対岸まで伸びるワイヤーとロープ。輪になったロープを引くことにより、前に進んだりバックしたりすることができます。座ったままの踏ん張りが効かない状態なので、腕の力のみでロープを引っ張ることになります。これはなかなか重労働。
それでもいざ空中に飛び出すととても爽快な気分!吊橋とは一味違う、何とも言えない浮遊感を味わうことができます。美しい渓流も見ることができ、こりゃ楽しい!
そのまま対岸まで行くのも良いですが、対岸には特に何もなく、「やかた」から降りることもできません。乗り場まで自力で戻って来る必要があるのです。1回対岸まで往復したことがありますが、腕がパンパンになってしまった記憶があります。腕力に自信のない方は適当な所で引き返すのが良いかもしれません。
なお、「野猿」の構造上、乗り場からロープを引っ張ることにより、「やかた」を岸まで手繰り寄せることも可能です。万が一連れが真ん中で力尽きてしまったら、優しく引っ張ってあげましょう。
「野猿」へのアクセス
「野猿」へのアクセスはなかなか大変。紀伊半島を縦断する幹線、国道168号線から2~3分程車を走らせれば到達できるのですが、上のストリートビューで示したようなすれ違いが困難な道を通る必要があります。
さらに、「野猿」のそばにある駐車スペースは非常に狭く、混雑すれば転回も難しいかもしれません。
運転に自信のない方は、近くにある複合施設「昴の郷」の駐車場に車を停め、「野猿」まで歩いてアプローチするのもアリだと思います。
公共交通機関で訪れようとするとさらに困難を極めます。日本一長いバス路線として有名な奈良交通の八木新宮線に乗り、奈良県側からであれば近鉄の大和八木駅またはJR和歌山線の五條駅、和歌山県側からであればJR紀勢本線の新宮駅からアクセスすることができます。バスは1日僅か3往復で、いずれも長時間バスに揺られることになりますが、ノンビリと紀伊半島を旅するにはバスの旅も良いかもしれませんね。先述した「昴の郷」内にある「ホテル昴」が最寄りのバス停となります。
各種情報
十津川村観光協会 : 秘境十津川村はノンビリと観光したい。
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|投稿:2018.08.17 | 最終更新:2019.02.21 |カテゴリ: 奈良県