旅行記 2018年GWの小笠原【5-4】感動!小笠原の見送り
2018年5月5日(金) |
父島での最後の時 小笠原ビジターセンターと小笠原コーヒー
12:15
腹を満たしたところで、父島で過ごすことができる時間は残り3時間15分。何をするでもなく、二見港近くのビーチにやってきました。
集落の近くでさえこの美しい海。すっかり見慣れてきた感があるこの海ですが、見られるのはあともう僅か。ひっそりと感傷に浸ろうと思っていたら、地元の子供たちが集団でやってきて、ビーチでカップラーメンをすすり始めました。
絶景ビーチとカップ麺という妙な取り合わせ…。
ビーチの裏手には小笠原ビジターセンター。去り際に立ち寄るのも如何なものかとは思ったのですが、せっかくなので中へ。
小笠原の動植物に関する展示、入植当時の小笠原の民家の再現、今ホットな話題となっている西之島のパネル展示など、興味深い内容が盛りだくさんでした。父島を訪れたら是非立ち寄って欲しいスポットです。
ビジターセンターでは、解説員による「ミニ・ガイドウォーク」を無料で行っています。13時からの回に参加することにしました。
参加者は3人。我々の他に、この4月から父島に移住したというご婦人が参加しました。
解説員の方に続いて、ビジターセンターの周囲を歩きます。
センターの周囲に何気なく生えている植物が、実は小笠原固有のものであったり、解説を聞かなければ気づかなかったであろう事実が連続。実際に父島を観光する前に聞いて、知識を身に付けておけば、父島の観光がより楽しいものになったかもしれません。
集落から近いビーチはウミガメの産卵場所になっているそうです。こんな人の生活圏内にも産卵場所があったことに驚きました。夜中に近くを通ると、卵を産むウミガメの息遣いまでもが聞こえて来るとか。
上の写真に写っている長いベンチのようなものは、集落とビーチとを隔てる柵。産まれた子ガメが方向を間違えて集落の方に出てこないようにと設置されているようです。
「ミニ・ガイドウォーク」は、ガイドブックやインターネットでも得られないような情報を聞くことができ、短い時間でしたが、とても有意義な時間となりました。
14:00
どうしても飲みたいメニューがあったので、3日連続でハートロックカフェへ。
それがこちら、小笠原コーヒー。お値段はなんと1,000円!小笠原で栽培している、正真正銘の国産コーヒーです。
飲んでみると、「ん?飲み口が少しスッキリしているかな…?」という感じ。普段からマックスコーヒーを愛飲しているバカ舌の私には、本物のコーヒーの味の違いはよく分かりませんでしたが、アッサリとして飲みやすいコーヒーであることは分かりました。是非違いの分かる方に飲んでいただきたいですねぇ。
感動!父島の見送り
14:30
そろそろ出港時間も迫ってきました。
帰りの「おがさわら丸」はほぼ満席であるとの事前情報を得ています。レストランやラウンジの混雑が予想されるため、昨日も買い食いをした弁当屋、「ボニンアイランドクラブ」で島寿司とパパイヤの総菜を購入してから港へ向かいました。
二見港前にあるクジラのモニュメント。定番の待ち合わせスポットのようで、多くの旅人が周りに集まっていました。我々もここで「海渡」の女将さんと待ち合わせ、荷物を受け取りました。
荷物と共に受け取ったもの。ハイビスカスの花。船が出港する際、再び島に戻って来れるようにと願いをこめて、海に花を投げるのが慣例になっているのだとか。元々は紙テープを使っていたのですが、環境に配慮し、最近は花に代わったようです。
同宿だった茨城のご夫婦も合流し、しばし雑談やら記念撮影。たった4日間でしたが、皆さんとはもっと長く一緒にいた気さえします。
やがて乗船の時刻を告げる放送が響きます。まずは特等室や1等室など、料金が高いチケットを持っている客。我々2等の客はその次。
見送りの方々が既にスタンバイしています。小笠原伝統の南洋踊りの衣装を着た島人達。その隣にはビシッと制服を着た警察官。
例によって、小笠原の種子などを持ち出さないよう、マットで靴底をゴシゴシと擦ってから乗船。
デッキは既に別れを惜しむ人々でいっぱい。乗る前から既に混雑の予感…!
15:10
乗船後、すぐに自分のベッドに荷物を置き、我々もデッキに向かいました。
見送る人、見送られる人。陸側も船側も人だらけ。これまで何度も島旅をしてきましたが、こんなに盛大な見送りは初めてです。
人だかりから「海渡」の女将さんを探し、思い切り手を振ります。こちらに気づいて応えてくれる女将さん。
再び父島を訪れることがあれば、また「海渡」に泊まろう。そう思いました。
15:35
「おが丸」がゆっくりと岸壁を離れます。
手を振る人。「いってらっしゃい!」「行ってきます!」の声。誰かの名前を叫ぶ人。そして汽笛。
手に持っていたハイビスカスを、そっと海へ…。風に流されつつも、ハイビスカスはゆっくりと落ちていき、父島の海に音もなく着水。
「また、小笠原に来られるくらいのお休みがもらえますように!次は母島も行きたいので、出来れば2週間くらい…」
「おが丸」は徐々に加速し、手を振る人々の姿がだんだん小さくなります。
そして始まりました!父島名物、大船団による見送り!
大小さまざまなクルーザーが「おが丸」と並走し、最後のお別れ。中には我々が海のツアーやナイトツアーでお世話になった「竹ネイチャーアカデミー」の姿も。
そして海へのダイブ!クルーザーから次々と人が飛び込むたびに歓声が上がります。
父島出港時の定番となっているので、この見送りが行われることは事前に知ってはいたのですが、実際に目にするとやはり感動するものですね。かなり気分が高揚してしまいました。こりゃ、リピーターが多いのも頷ける気がします。
15:50
出港から約15分。
見送りの大船団も、一隻、また一隻と減っていき、最後の一隻が後方へと遠ざかっていきました。
その一隻が見えなくなっても、デッキの人々は無言で海を見つめ、誰もが別れの余韻に浸っているようでした。
そして、東京へ向け、「おがさわら丸」の孤独な航海が再び始まります。
次回、終章です。
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|投稿:2018.09.20 | 最終更新:2019.02.14 |カテゴリ: 旅行記