おせり(大斗)の滝 3ヶ所の展望台からの景色、遊歩道を紹介(宮崎県美郷町)
宮崎県と言えば「南国の海」というイメージが強いですが、実は全国屈指の森林率が高い県でもあります。地図を開いてみれば分かるように、宮崎県の西側にはほとんど平地が無く、広大な九州山地が広がっているのです。深山幽谷と呼ぶに相応しい山々を縫うように、豊富な水量を誇る川が流れ、至る所に滝が形成されています。今回は、そんな宮崎県の山の中で出会った素晴らしい滝を紹介します。
それが、宮崎県美郷町にあるおせりの滝。
宮崎県内には「日本の滝百選」に選ばれた滝が4つ(高千穂町の真名井の滝、延岡市の行縢の滝、都農町の矢研の滝、そして以前も当ブログでも取り上げた都城市の関之尾滝)ありますが、今回紹介するおせりの滝は選定外。しかし実際に見てみると、「百選」に選ばれた滝をも超える素晴らしい滝でした。
…随分とハードルを上げてしまいましたが、この記事では、おせりの滝へのアクセス方法、遊歩道、そして滝の魅力について紹介したいと思います。
おせりの滝とは?
今回紹介するおせりの滝は、宮崎県北部の内陸に位置する美郷町にあります。宮崎県北部の山中を流れる耳川の支流である尾迫川にかかる落差約70mの滝です。
ここまで、「おせりの滝」という名前でお送りしてきましたが、漢字では「大斗の滝」と書きます。これで「おせり」と読むんですねー。一般的には「おせりの滝」でとおっていますが、地図やカーナビによっては、漢字で書かれている場合もあるので、要注意です。この記事ではこのまま平仮名表記のまま続けたいと思います。
おせりの滝へのアクセス
おせりの滝へは車あるいはバスで行くことができます。ただし、バスの場合本数が少ないため、車で訪れるのがおススメです。
車でのアクセス
■東九州道の日向ICから国道327号線等を経由して約40分
※国道327号線は、椎葉村内で狭い箇所がありますが、おせりの滝までであれば快走路です。
バスでのアクセス
■JR日豊本線の日向市駅東口から宮崎交通の路線バスの上椎葉行きまたは塚原行きに乗車し、約1時間。「おせりの滝入口」停留所で下車。バス停から滝まで徒歩約20分。
※曜日によっては快速バスがあります。快速バスは「おせりの滝入口」は通過となります。
【参考】宮崎交通(TOP>路線バス>路線別バス時刻表)
おせりの滝の駐車場
耳川に沿った国道327号線から離れ、尾迫川沿いの道を700m程進むと、5台程度が停められる駐車場が現れます。こちらがおせりの滝の駐車場。ここから先は徒歩で向かうことになります。
ちなみに、駐車場からも滝を見ることができます。駐車場の対岸に見えるこの滝は、拝水の滝。水量は少なく、見応えはあまり無い滝ですね。これがおせりの滝というわけではないため、早とちりして帰らないようにしましょう。
おせりの滝への遊歩道
駐車場からおせりの滝までは200m程。2020年にリニューアルした遊歩道は、赤いゴムチップ舗装。起伏もほとんどなく、足に優しい設計になっています。
遊歩道を歩いて3分程でおせりの滝に到着しました。国道からも近く、駐車場からも近く、車で行くのであれば非常にアクセスが良好な滝ですね。
なお、尾迫川を渡り上流へと向かう道(上の写真の橋)がありますが、2021年5月の時点では工事中で立入禁止となっていました。道の先にはおせりの滝をより近くから見る展望台があるようです。
おせりの滝を3ヶ所の展望台から眺める
こちらがおせりの滝です!
少し手前から滝が見えていたのですが、最初は滝の下段のみが見えていました(2つ上の写真のような感じです)。「あー、まぁこんなもんかなー」と思いながら近づいていくと、岩の陰から上段が見えてくるというサプライズ!これはなかなか衝撃でした。
写真ではなかなか伝わりにくいですが、相当高い場所から落ちている滝です。先述しましたが、落差は70mとのこと。「日本の滝百選」には選ばれていませんが、「百選」の滝を比べても遜色無いほど素晴らしい滝だと思います。
展望台の脇から、斜面を急角度で登っていく頼りない階段があります。先ほどまでのゴムチップ舗装の遊歩道と比べると雲泥の差ですが、登って行ってみることにしましょう。
※ここから先はリニューアル工事がされていない道です。歩きやすい靴が必須です。
ふと見上げると、急斜面の上に2つの展望台と、そこへ至るための険しい道が見えました。ご丁寧に「展望台2」、「展望台3」と書かれています。なるほど、ゴムチップ舗装の終点が「展望台1」ということですね。
まずは「展望台2」を目指して、急な階段を登っていきます。丸太を組み合わせて造られた階段がありますが、足の置き場が狭いので登るのがなかなか大変です。下りはもっと危険ですが…。
こちらが「展望台2」からの眺めです。
下にある「展望台1」からはあまり見えなかった上段が正面に見えますね。この上段だけ単体で見ても素晴らしい滝だと思います。そして、上段のさらに上にも滝が見えているではないですか!これは凄いな…。
テンションが上がってきたので、どんどん上へと進みます。「展望台3」に近づくにつれて、階段に積もる落ち葉が深くなり始め、もはや斜面のような状態になってきます。歩く人が少ないせいでしょうか。足を滑らせないよう細心の注意が必要です。
こちらが「展望台3」からの眺めです。
この高さまで来ると、端正な姿の上段の全体像を見ることができます。ここから見ると、下段は森に隠れてしまい、「展望台1」から見た滝とは全く違う滝に見えますね。
一番下の「展望台1」からの姿も素晴らしかったのですが、様々な高さから眺めることにより、一層魅力が増す滝でした。少々骨は折れますが、「展望台2、3」にも足を伸ばした方がおせりの滝を何倍も楽しむことができると思います。
なお、今回は立入禁止となっていましたが、より滝に近い場所に「展望台4、5」があるそうです。上段の滝を、滝壺近くから見られるとのことなので、通行止が解除されたら是非ともリベンジしたいものですね。
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|投稿:2021.05.12 | 最終更新:2021.05.12 |カテゴリ: 宮崎県
COMMENT
そこまで知名度が高い滝ではありませんが、非常に良かったです。
確かに展望台5つは凄いですね。…かと言って、景観を害しているわけでもないので、本当に素晴らしい整備状況だと思います。工事が完了したら、残り2つの展望台も訪れたいものです。
| 代官 | 2021/05/14 17:43 | URI |
滝見は滝壷にこだわる人や正面にこだわる人も居ますが、この滝は本当に親切ですね。更に後ふたつあると言う事で、これだけの展望所を備える滝は、ここだけではないでしょうか。滝は位置によって姿を変えますので、いたれりつくせりですね。宮崎の滝は未だ見ていないので、その折は是非訪れたいです。
| maruichi | 2021/05/14 13:58 | URI | ≫ EDIT