トロッコ王国美深 旧美幸線の線路をトロッコで駆け抜けよう(北海道美深町)
全国各地に、廃線跡を観光資源として再利用する動きがあります。廃線跡を遊歩道として整備したり、線路の一部を利用してトロッコを走らせている場所を訪れた方も多いのではないでしょうか。以前、当ブログでも紹介しましたが、のと鉄道の廃線跡を利用した人力のトロッコ、「のトロ」もそういった取組の1つです。
今回は、北海道において人気を集めている廃線跡を利用した観光施設を紹介します。それが、美深町にある「トロッコ王国美深」。この記事ではトロッコ王国美深の予約方法やトロッコに乗るまでの流れ、さらにはその魅力をご紹介したいと思います。
トロッコ王国美深とは?
北海道の道北地方の美深町には、かつて美幸線というローカル線が走っていました。美深町にある宗谷本線の美深駅から、同じ美深町内の仁宇布(にうぷ)駅までの約21kmを結ぶ短い路線でした。
美幸線はその名のとおり、美深町とオホーツク海に面する枝幸町とを結ぶことを目的に建設されました。1964年に美深駅から仁宇布駅までが部分開通しましたが、結局枝幸町の北見枝幸駅まで開通することはありませんでした。
部分開通した仁宇布駅までも100円の利益を得るために3,859円の費用がかかるという「日本一の赤字路線」となり、1985年に廃止されました。美幸線は開通後20年余りで廃止されたわけですが、終点の仁宇布駅周辺の5km程は、線路が剥がされないまま残されることとなりました。
残された美幸線の線路を利用し、1998年にエンジン付きのトロッコに体験乗車できる観光施設の運営が開始されました。これが今回紹介する「トロッコ王国美深」です。
次章以降では、「トロッコ王国美深」の予約方法や楽しみ方を紹介しましょう。
トロッコ王国美深の予約方法
「トロッコ王国美深」は冬期以外は毎日営業しています。トロッコは朝から夕方までの1時間おきに運行しています。予約なしでも乗ることができますが、トロッコの数にも限りがあるので、事前に予約しておくのがおススメです。
予約方法としては、①電話予約、②ネット予約の2とおり。
①電話予約
以下の電話番号で、予約が可能です。
01656-2-1065
②ネット予約
じゃらんよりネット予約が可能です。
希望する日にち、時間を指定しましょう。
ちなみに私は長期連休中の朝一番の体験時間(9:00~9:40)に予約をしました。朝一番ということもあり、4組の利用でしたが、次の体験時間(10:00~10:40)には10組近くが集まっているように見えました。連休中の日中は予約をしておいた方が無難かもしれません。
予約時間の20分前には集合しよう
集合時刻は、体験の20分前とされています。この20分は、受付と体験前のガイダンスを受けるのに必要な時間なので遅れないように気を付けましょう。
トロッコ王国美深に到着したら、まずは受付を済ませます。「コタンコロ・カムイ駅」と書かれた木造の駅舎風の建物があるので、こちらにいるスタッフに声をかけましょう。
予約と支払を事前に済ませていたので、スタッフに名前を告げ、本人確認をしたところで受付完了です。トロッコ王国への入国パスポートと「仁宇布⇔美深」と書かれた切符が発行されました。昔懐かしい硬券切符ですね。
私は少し早めに到着したので、「コタンコロ・カムイ駅」の中を見学させていただきました。こちらの建物、てっきり仁宇布駅の駅舎を再利用したものだと思っていましたが、廃線後に新たに建てられたものなんだそうです。
中には現役時代の時刻表や運賃表、当時の写真なんかが展示されており、ファンにはたまらない展示内容となっています。
「コタンコロ・カムイ駅」の北側にはプラットホームと線路が、撤去されずに残されています。トロッコ乗車前後に見学するのも良いのではないでしょうか。
「コタンコロ・カムイ駅」の南側には綺麗な公衆トイレがあります。トロッコ乗車すると、約40分間はトイレに行けないので、不安な方は事前に済ませておきましょう。
トロッコ乗車の10分前になると、ガイダンスが始まります。スタッフの方から説明を受けました。
・普通自動車免許を持っている人だけが運転可能
・時速20kmくらいで走ること
・前の方との間隔を100mくらいは空けること
・途中、道路と交差する場所がいくつかあるので、左右を確認のうえ通行すること
・スマートフォン等を落とさないように注意すること
・折り返し地点は急カーブなので、十分に減速すること
抜けている点もあるかもしれませんが、概ね以上のような内容でした。
美幸線の線路を駆け抜けてみた
ガイダンスが終わったらいよいよ出発です。スタッフから名前を呼ばれ、順番に出発します。
トロッコはご覧のようなシンプルなもの。台車に椅子と手すりとアクセルとブレーキ、サイドブレーキのみが付いています。出発前にトロッコの操作方法に関して、簡単な説明を受けました。基本的にはアクセルとブレーキ、それだけです。ゴーカートと同じような感じですね。
前の順番の方が100m程度まで進んだところで、スタッフから出発の合図が出されます。いざ出発!
アクセスをグッと踏むと…、おお!動いた!
レールの繋ぎ目の部分を通過するたびに、ガタンゴトンという走行音が!ある程度の速度になると、風が気持ち良い!自転車くらいの速度でガタンゴトンと進みます。これは楽しい!
道路と交差する場所の手前には「一時停止」と書かれた標識が立っています。「道路」と言っても、ほとんどが畑へ向かうための畦道で、交通量は皆無に近いです。そういった現状もあってか、減速して安全が確認できれば、一時停止はしなくても良いそうです。
線路は概ね道路(道道49号線美深雄武線)に沿っていますが、このように森の中を走る区間もあります。走っていると、数匹ではありますが、虫と衝突しました。苦手な方は虫が少ない時期に訪れるのが良いでしょう。
川を渡る箇所もあります。下が透けているわけではないので怖さはないですが、橋の上は風が強いので、物を落とさないように注意しましょう。年に数人、写真を撮ろうとしてスマホなどを落としてしまう方がいるようです。
仁宇布駅を出発して約15分。折り返し地点、高広パーキングエリアに到着しました。折り返し地点は線路がラケット型になっており、トロッコに乗ったまま方向転換することができます。
折り返し地点には、現実の鉄道ではありえないような急カーブが待ち構えているので、脱線しないよう十分に減速する必要があります。ただ、カーブが急すぎるため、減速しすぎても止まってしまうんだとか。速すぎず、遅すぎず、絶妙なスピードでカーブを通過します。
急カーブを曲がった先で一旦停止します。後続のトロッコをやり過ごす必要があるためです。そうしないと、往路のトロッコと復路のトロッコが正面衝突してしまいますからね。
スタッフの方の指示に従い、最後のトロッコが「ラケットの付け根」部分を通り過ぎるのを待ってから、出発します。
仁宇布駅を出発してから約30分。5km程の廃線跡を往復し、再び仁宇布駅に戻ってきました。
いやー、めちゃくちゃ楽しかった!廃線跡を自分が運転するトロッコで走れるなんて、なかなか得難い体験ですよね。興味がある方は是非とも体験してみてください!
トロッコ王国美深へのアクセス
車でのアクセス
■名寄美深道路の美深ICから、道道49号線美深雄武線を経由して約20分
バスでのアクセス
■美深駅から仁宇布線デマンドバスに乗り、約30分。
※日曜日は運休
バスは本数が少ないため、車で訪れる方がおススメです。
【参考】美深町公式サイト
ブログランキング参加中!クリックで応援をよろしくお願いいたします。

にほんブログ村
- 関連記事
-
-
炭鉱の町のニューご当地グルメ、石炭ザンギを食べてみた(まんぷく食堂@北海道三笠市)
-
【宿泊記】オソウシ温泉 鹿乃湯荘に泊まってみた(北海道新得町)
-
トロッコ王国美深 旧美幸線の線路をトロッコで駆け抜けよう(北海道美深町)
-
尻羽岬は穴場の絶景岬!アクセス・駐車場情報も紹介(北海道釧路町)
-
知床半島ウトロにある民宿いしやま 海鮮がたらふく食べられる宿(北海道斜里町)
-
|投稿:2021.08.24 | 最終更新:2021.08.25 |カテゴリ: 北海道