富岩水上ライン 「運河」と「水のエレベーター」を楽しむ水上散歩(富山県富山市)
富山県の県庁所在地、富山市。
富山市には古くから運河が発達しており、近年運河を利用した観光が人気を集めています。特に人気なのが、運河でのクルージングを楽しむことができる富岩水上ライン。富山駅からのアクセスも良く、富山観光の定番になりつつあります。
2021年の6月、初めて富岩水上ラインに乗ってみたのですが、非常に楽しかったので、この記事で紹介したいと思います。
■この記事の目次
1.富岩水上ラインとは?
2.富岩水上ラインの乗り場は環水公園
3.最新の観光船「kansui」
4.富岩水上ライン Cコース 出航!
5.クライマックスは中島閘門
6.再び環水公園へ
7.富岩水上ラインの乗り場へのアクセス
1.富岩水上ラインとは?
2.富岩水上ラインの乗り場は環水公園
3.最新の観光船「kansui」
4.富岩水上ライン Cコース 出航!
5.クライマックスは中島閘門
6.再び環水公園へ
7.富岩水上ラインの乗り場へのアクセス
富岩水上ラインとは?
今回紹介する富岩水上ラインは、富山市に古くからある富岩運河を利用しています。
富岩(ふがん)運河はその名の通り、「富山」と「岩瀬港」を結ぶ運河。港から遠い富山市街地の不便を解消すべく、昭和時代初期に完成しました。これにより資材の運搬が活発となり、富岩運河は富山の工業化に大きく貢献したのです。
ところが高度経済成長期とともに物流が大きく変わり、運河はだんだん使われなくなっていきました。水質も悪化するようになり、運河を埋め立てて道路を建設しようという声も上がり始めます。しかし、富山市は運河を活かしたまちづくりを進め、運河沿いに遊歩道を通し、かつての船溜まりを富岩運河環水公園として整備しました。現在では富岩運河は富山観光の目玉になっています。
話を富岩水上ラインに戻しましょう。
富岩水上ラインは富岩運河を利用した観光用航路。環水公園を拠点として、以下の4コースが用意されています。
Aコース:環水公園→岩瀬カナル会館(片道)
Bコース:岩瀬カナル会館→環水公園(片道)
Cコース:環水公園⇔中島閘門(往復)
周遊コース:環水公園周遊
A、Bコースは片道コース。料金には運河に並行している路面電車の乗車券が含まれており、船と路面電車を利用した周遊コースが楽しめます。
C、周遊コースは、起点、終点ともに環水公園。
今回は、Cコースを選択してみました。次の章から、富岩水上ラインのCコースを利用した時の様子を紹介していきます。
富岩水上ラインの乗り場は環水公園
富岩水上ラインの乗り場があるのは、富山駅から程近い富岩運河環水公園。市街地の中心にこんなに美しい公園があるんだと、感動してしまうほどの公園です。
乗り場は、公園のシンボルとも言うべき天門橋の近くにあります。
乗り場の目の前にチケット売り場があります。チケットは環水公園、岩瀬カナル館、中島閘門の各乗り場の他、富山駅構内にある公共交通案内所で購入可能。ただし、環水公園以外の乗り場では、購入できる便やチケット枚数が限られているので、注意してください。
また、乗船の3ヶ月前から前日14時までであれば予約が可能です(支払いは現地でのみ)。
詳しくは公式サイトをチェックしてみてください。
最新の観光船「kansui」
さて、今回乗ったのはこちらの「kansui」という船。富岩水上ラインで乗ることができる船は4隻ありますが、「kansui」は2019年にデビューした最も新しい船です。
近未来的なデザインもさることながら、蓄電池とソーラーパネルを搭載した最新鋭の電気船なんだそうです。
「kansui」は定員55名。今はコロナ禍により座席数を減らして運行しています。
船の前方は屋内席となっており、2人掛けの席と3人掛けの席が並んでいます。前方も側面も広い窓が付いていて、眺めは申し分ないですね。また、エアコンも完備されており、暑い夏でも快適なクルージングが楽しめるようになっています。
船の後方は屋外席。窓がないため、非常に開放的です。この日は時々小雨が降っていましたが、屋根が付いているので特に問題はありませんでした。
また、「kansui」には男女別のトイレが付いています。クルージングは約1時間ですが、トイレが付いていれば安心ですね。
富岩水上ライン Cコース 出航!
いよいよ出航です。
まずは環水公園の中を滑るように進んでいきます。電気船だからか、驚くほど静かに進みますね。ここから下流へと向かっていきます。
環水公園から中島閘門までは約1.8km。ひたすら真っ直ぐな運河が続きます。運河に沿って遊歩道が整備されており、富山市民が歩く姿を見ることができます。
遊歩道沿いには色々なモニュメント(?)なんかがあったりして、見ていて飽きません。晴れた日は、運河沿いの遊歩道を散策するのも楽しいかもしれません。
途中で船とすれ違いました。こちらは同じ富岩水上ラインで活躍している「sora」という観光船。レトロな外観ですが、この船もソーラー船なんだとか。
環水公園を出航して約15分。「kansui」は、富岩水上ライン最大の見どころであり、Cコースの折り返し地点でもある中島閘門に到着しました。
クライマックスは中島閘門
いよいよ富岩水上ラインのクライマックス、中島閘門です。
「閘門」とは、水路や運河の水位を調整するための水門のこと。高低差のある運河に船を通すための「水のエレベーター」のような存在です。太平洋と大西洋を繋ぐパナマ運河にある閘門が世界的に有名ですね。
上の写真は現地に設置されていた中島閘門の模式図。閘門の中の水位を上下させることにより、2.5mの高低差をクリアするわけですね。
船が中島閘門の中に入ると、上流側にある門が閉まります。下流側にある門も閉じているので、四方を壁と門に囲まれた状態になったということです。
いよいよ水位が下がり始めます!
確かに、少しずつではありますが、船が下に下がっていっているような…。凄い凄い!
2分後。
だいぶ水位が下がりました。壁に付いた濡れた跡を見れば、かなり水位が下がったのが分かると思います。これは凄い…。
水位が下がりきったところで、今度は下流側の門が開きます。船は前へ…。
本当に「水のエレベーター」で2.5mの高低差を超えてしまいました!2021年現在、日本国内には10ヶ所の閘門があるのですが、実際に「水のエレベーター」を体験できるのは富岩運河だけなんだそうです。非常に貴重な体験をさせていただきました。
中島閘門の下流へ進んだところで、折り返し。
船は180度向きを変え、再び閘門の中へ。先ほどとは逆の行程で「水のエレベーター」で上昇します。このまま環水公園に帰るのかと思いきや、ここで一時下船。「水のエレベーター」をコントロールする中島閘門操作所を見学することができます。
こちらが至近から見た中島閘門。「へ」の字型に閉じた門。奥が上流で手前が下流です。門を隔てて水位が全く違うのがよく分かりますね。
こちらが閘門のすぐ隣にある中島閘門操作所。
富岩運河が水運で利用されていた当時は、この操作所に職員が常駐していました。中には和室、トイレ、浴室などがあり、寝泊りできるようになっています。
こちらが当時の操作盤。かつてはこの操作盤をポチポチとしながら、船の往来を支えていたのですね。
中島閘門操作所の見学は10分程度でしたが、非常に濃密な時間を過ごすことができました。
再び環水公園へ
中島閘門操作所の見学の後は再び「kansui」に乗り込み、環水公園へと戻ります。
復路では、小雨が上がったこともあり、水面が鏡のようになっていました。これは素敵だ…。
約1時間のクルージングと見学を終え、富岩運河環水公園に戻ってきました。
最後に環水公園の池の中で旋回するのですが、かの有名なスターバックスコーヒー富山環水公園店が見えました。緑に囲まれた運河の畔にあるスタイリッシュな店構えで、「世界一美しいスタバ」とも言われています。
船を下りた後、こちらのスタバでティータイムを楽しむのも良いのではないでしょうか。
富岩水上ラインの乗り場へのアクセス
車でのアクセス
■北陸道の富山ICから約20分
車で訪れた場合は、富岩運河環水公園の駐車場を利用しましょう。駐車場は公園周辺の5ヶ所にあります。
鉄道でのアクセス
■富山駅北口から約1km。徒歩で約15分。
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|投稿:2021.12.08 | 最終更新:2021.12.08 |カテゴリ: 富山県