余部鉄橋「空の駅」 かつての鉄橋はエレベーターで登れる絶景の展望施設(兵庫県香美町)
兵庫県の日本海側に位置する香美町。この町には、かつての鉄道施設を利用した絶景展望台があります。
それが余部鉄橋「空の駅」。
2022年の2月、「空の駅」を訪れてみました。美しい日本海と周辺集落を一望できる素晴らしい展望施設だったので、この記事で紹介したいと思います。
■この記事の目次
1.旧余部橋梁を利用した展望施設、余部鉄橋「空の駅」
2.「空の駅」へのアクセスは道の駅「あまるべ」から
3.エレベーターで「空の駅」へ
4.「空の駅」から絶景を楽しむ
5.余部鉄橋「空の駅」へのアクセス
1.旧余部橋梁を利用した展望施設、余部鉄橋「空の駅」
2.「空の駅」へのアクセスは道の駅「あまるべ」から
3.エレベーターで「空の駅」へ
4.「空の駅」から絶景を楽しむ
5.余部鉄橋「空の駅」へのアクセス
旧余部橋梁を利用した展望施設、余部鉄橋「空の駅」
今回紹介する余部鉄橋「空の駅」は、兵庫県の北部、日本海に面する香美町にあります。「余部鉄橋」と聞いてピンと来た方も多いと思いますが、この展望施設は山陰本線の旧余部橋梁の跡を利用した施設です。
余部橋梁は山陰本線の鎧駅と餘部(あまるべ)駅との間に架かる鉄道橋。日本海に面した余部集落を一跨ぎにする橋で、高さが40m以上もあります。1912年に完成し2010年に新しい橋に架け替えられるまで、山陰本線の鉄道橋として活躍していました。
この写真は2008年に撮影したもの。まるで鉄塔のような構造の橋脚がズラリと並ぶ独特な構造で、鉄道ファンを初めとして高い人気を誇る橋でした。
余部橋梁の知名度を高めていたのは良い側面ばかりではありません。1986年に発生した列車転落事故を忘れてはいけないでしょう。1986年の年末、この橋を走行中だった回送列車が突風にあおられ、橋の下に転落。列車の一部が橋の下にあった水産加工工場に落下し、工場の従業員5名と車掌1名が亡くなるという大惨事となりました。
こちらが2010年に完成した2代目の余部橋梁。初代余部橋梁のすぐ隣に架けられたコンクリート橋です。
2代目の橋の建設にあたり、初代の橋を保存すべきかどうかが議論となりました。「近代土木遺産として価値がある」、「事故の記憶を風化させるべきではない」という肯定的な意見がある一方で、「事故の記憶が蘇る」など、保存には否定的な意見もありました。議論の末、旧橋梁の一部を保存するという結論に至りました。
訪れるにあたっては、こういった過去があったこと、橋を保存するにあたっては色々な考えの方がいたことは忘れてはならないでしょう。
「空の駅」へのアクセスは道の駅「あまるべ」から
車で訪れる場合、道の駅「あまるべ」が「空の駅」への入口となります。余部へ訪れるには自動車専用道である山陰近畿道が便利。道の駅へ行くためには余部インターチェンジで下りてください。インターチェンジから約1kmで道の駅に到着します。
道の駅にはお土産屋さんの他、魚介を使った料理や軽食を提供する食堂が併設されています。
道の駅と「空の駅」そして餘部駅の位置関係が書かれた地図がこちら。「空の駅」は道の駅のすぐ西側(鳥取側)にあります。「空の駅」の入口には歩いて1分足らずで到着するので、道の駅で休憩するついでに気軽に立ち寄ることも可能です。
「空の駅」までの道は、このように遊歩道として整備されています。ただし、余部集落の生活道路を横断する箇所があるので、そこだけ車に注意してくださいね。
上の写真の右側にある鉄製の櫓のようなものが、初代余部橋梁の橋脚です。安全を考慮してか、手前2つの橋脚は上部が取り払われていますが、奥に見える橋脚は完全体で保存されています。
奥に見える橋脚のすぐ隣に建っているのが現在の余部橋梁の橋脚。無骨な感じの初代とは異なり、スラッとしたスマートな橋脚ですね。建設された時代は100年ほどの開きがありますが、土木技術の進化を感じることができます。
道の駅から徒歩1分足らず。「空の駅」の入口である余部クリスタルタワーの足元に到着しました。
エレベーターで「空の駅」へ
新旧余部橋梁を下から見上げてみました。
左側(山側)を通っているのが2代目、右側(海側)を通っているのが初代余部橋梁。先述しましたが、初代余部橋梁は一部が保存され、現在では展望施設「空の駅」としての余生を送っています。
そして初代余部橋梁のさらに海側に聳えているガラス張りの塔が余部クリスタルタワー。これは「空の駅」に登るためのエレベーター。それと同時に餘部駅へのアクセスルートとしても使われています。
エレベーターで「空の駅」へ。コロナ禍の影響でエレベーターは4人までに制限されていますが、一度乗ってしまえばあっという間に地上40mの「空の駅」まで連れて行ってくれます。しかもガラス張りなので景色も良い!
なお、「空の駅」が出来る前、つまり2代目の余部橋梁が出来るまでは、このエレベーターはなかったため、餘部駅に行くためには細い山道を登る必要がありました。「空の駅」開業によって、餘部駅の利用も便利になったと言えます。
餘部駅へのアクセスルートでもあることから、列車の運行時刻に合わせ、エレベーターは6:00~23:00まで利用可能です。
「空の駅」から絶景を楽しむ
エレベーターの扉が開くと、そこはもう「空の駅」。旧余部橋梁の上ということになります。
…と、ここで嬉しいサプライズ。鳥取方面に向かう列車がやってきました。「空の駅」のすぐ隣の余部橋梁を、ゴオオオオと音を立てて渡っていきます。列車が来る時間を見計らったわけではないですが、ナイスなタイミングで訪れることができました。
旧余部橋梁は、元々は無骨な鉄橋でしたが、オシャレな感じの歩きやすい歩道橋へと生まれ変わっていました。路面にはレールが埋め込まれており、かつてそこに鉄路があったことを感じ取ることできます。高い場所にあり、なおかつ真下に集落があることから、フェンスが少し高めに設定されていました。
金網状のフェンスの隙間からは、日本海と黒瓦屋根が美しい余部集落を一望することができます。これは素敵な眺めですね。
旧余部橋梁の端からの景色もおススメ。
旧余部橋梁は西側の一部が保存されており、東側部分は撤去されています。現存部分の東の端からは、旧余部橋梁の末端部分をフェンス越しに眺めることができます。空中で線路がプッツリと途切れる様子は、他ではなかなかお目にかかることができない光景ですよね。
新旧余部橋梁の西側には餘部駅があります。山の中腹にある小さな駅です。
一面一線(ホームが一本、線路が一線の駅)の駅ですが、列車が停車している線路の逆側にも線路が設置されています。実はこれ、初代余部橋梁が現役だった頃の線路なんです。
現在では使われていない線路ですが、モニュメントの1つとして保存されているわけですね。
「余部鉄橋 空の駅」と書かれた石碑があり、旧余部鉄橋まで続くレールを真っ直ぐと見通すことができ、良い記念撮影スポットだと思います。
先ほど「エレベーターを使わずに餘部駅まで登る山道がある」と述べましたが、写真の左側へ下っていく道がその道。細く、急な坂を下って、余部集落へと向かうことができます。時間と体力に余裕がある方は、こちらを通ってみるのも良いかもしれません。
余部鉄橋「空の駅」へのアクセス
車でのアクセス
■山陰近畿道の余部ICから約2分。道の駅「あまるべ」に駐車。
鉄道でのアクセス
鉄道でアクセスする場合は、山陰本線を利用して餘部駅へ。餘部駅は基本的に普通列車しか停車しません。また、列車は1~2時間に1本程度なので、鉄道で訪れる場合は事前に時刻を調べておきましょう。
■城崎温泉駅から約50分。
■鳥取駅から約1時間10分。
※鳥取から向かう場合、途中の浜坂駅で乗換になることが多いです。
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|投稿:2022.03.10 | 最終更新:2022.03.10 |カテゴリ: 兵庫県