八角トンネル 不思議な形の廃線トンネルに行ってみた(熊本県美里町)
熊本県中部にある美里町。山に囲まれた自然が豊かな町ですが、ここには一風変わった形状のトンネルがあります。
それが今回紹介する八角トンネルです。
こちらが八角トンネルです!
その名の通り、見事に八角形!しかもいくつも連なっています。こんな風変わりな形状の建造物は初めて見ました。
この記事では八角トンネルの解説に加え、アクセス方法などについても紹介したいと思います。
廃線となった熊延鉄道の遺構、八角トンネル
八角トンネルは、1964年に廃線となった熊延(ゆうえん)鉄道のトンネル…、正確に言えば落石避けのための洞門です。熊延鉄道は熊本市の南熊本駅と砥用町(現在の美里町)にある砥用駅を結んでいた、約30kmの鉄道。元々は、その名が示す通り、熊本市と宮崎県延岡市を結ぶことを目的に建設されたそうです。しかし、九州を横断し、県境を越えて延岡まで開通することは叶わず、熊本県内で完結する鉄道として営業していました。
今回紹介する八角トンネルがあるのは、終点駅の砥用駅よりも少し手前にある佐俣駅跡の近く。ちょうどこの辺りは川沿いの崖っぷちを通っていたため、落石から鉄道を守るため、洞門が建設されました。
その洞門が八角トンネルです。
何故八角形なのか、何故洞門が1つに繋がっていないのか、謎が多い遺構ですが、建設費削減のためという説が濃厚なようです。
八角トンネルへのアクセス
車でのアクセス
■九州道の松橋ICから国道218号線、国道443号線を経由して約15分
八角トンネルへ行くためには、国道443号線の小筵大橋(国道218、443号線の交差点のすぐ北東にある橋)の北側から分岐する小道に入っていきます。目立った目印もないので、見落とさないように注意が必要です。
この小道に入ったら、150m程で目的地に到着します。
バスでのアクセス
■鹿児島本線の松橋駅前から九州産交バスの砥用中央行き路線バスに乗り、約30分。「小莚」停留所で下車。バス停から徒歩10分程度。
■熊本市の桜町バスターミナルから熊本バスの辺場経由砥用または浜町行きの路線バスに乗り、約1時間。「二俣橋」停留所で下車して徒歩5分。
八角トンネルの駐車場
国道443号線から小道に入り150m程進むと、左側に空き地が現れます(上の写真は逆方向から撮影したものなので、小道の右側に空き地があります)。こちらが八角トンネルの駐車場です。明確な看板があるわけではありませんが、Googleマップなどを見る限り、こちらが八角トンネルの駐車場と言うことで間違いないでしょう。
こちらの駐車場、熊延鉄道の廃線跡を利用したものです。つまり、この駐車場の延長線上に八角トンネルがあるわけです。
八角トンネルを歩いてみた
駐車場から八角トンネルまでは、200m程の距離。廃線跡を歩いてアプローチします。車が入れないようにコーンが設置されていますが、綺麗に刈り払われた道で、歩く分には全く問題がない道です。
駐車場から100m程歩くと、両側を斜面に囲まれた道になります。今にもカーブの向こうから汽車が走ってきそうな、そんな雰囲気を持つ道ですね。
そして、トンネルの気配がしてきました…!
八角トンネルに到着!
先ほど述べましたが、これは落石から鉄道を守るための洞門であり、トンネルではありません。八角形という非常に珍しい形をしており、さらにはそんな洞門が7つ連続するという、特異な光景となっています。
ちなみに「八角形 トンネル」と画像検索してみましたが、この八角トンネルしかヒットしませんでした。やはり全国的に見ても珍しい存在なのでしょう。
実際に内部を歩いてみました。真下を歩いてみると、洞門と洞門の隙間が意外と広いことが分かります。外からの光が洩れてきて美しい半面、落石避けとして「これで良いのかな…」とも思ってしまいますね。まぁ素人考えですが…。
こちらが駐車場とは逆側(東側)から見た八角トンネル。
緑の木々や苔が洞門を彩っており、非常に美しいですね。廃止から約60年経っているわけですが、まるで遺跡のような神々しさすら感じました。
非常に美しいうえ、気軽に訪問することが可能なので、是非とも立ち寄ってみては如何でしょうか。
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|投稿:2022.03.29 | 最終更新:2022.03.29 |カテゴリ: 熊本県