五島列島旅行記【3-2】滞在時間3時間の久賀島ドライブ【後編】
2022年5月5日(木) |
五島列島旅行3日目。
福江島の北側にある久賀島にやってきました。
島一番の観光地で、港から一番遠い旧五輪教会堂を見学したところで10:50。帰りの船の時刻は12:30。レンタカーを返却することを考えると、残された時間は1時間程度といったところでしょう。さすがは五島列島で3番目の大きな島。滞在時間3時間では全てを見ることは厳しいようです…。
■この記事の目次
1.蕨小島 日本一小さな有人島を望む
2.折紙展望台 久賀島と周辺の島々を一望できる絶景展望台
3.牢屋の窄 殉教者42名、凄惨な弾圧が行われた場所
4.浜脇教会 久賀島南部にある存在感のある教会
5.さらば久賀島
1.蕨小島 日本一小さな有人島を望む
2.折紙展望台 久賀島と周辺の島々を一望できる絶景展望台
3.牢屋の窄 殉教者42名、凄惨な弾圧が行われた場所
4.浜脇教会 久賀島南部にある存在感のある教会
5.さらば久賀島
蕨小島 日本一小さな有人島を望む
11:10
旧五輪教会堂の駐車場から再び細い山道を戻り、久賀島北部にある蕨集落に戻ってきました。蕨集落は、「とある日本一」が見られるということで、気になっていた場所なのです。
それがこちら、蕨小島です。
蕨小島は蕨漁港から手が届きそうな程の位置にある小さな島。こちらの島、日本最小の有人島なんだそうです。面積は0.03平方キロメートル。なんと阪神甲子園球場の敷地面積よりも狭い島なのです。
2019年現在、島の人口は6名。全員がカトリック教徒なんだそうです。
島に渡る航路は無いため、どうしても訪れたい場合は船をチャーターする必要があります。今回は、対岸の蕨漁港から眺めるに留めました。
そしてこちらが蕨集落の全景。久賀島では2番目に大きな集落ですが、それでも人口は100人足らず。かつては小中学校があったようですが、2009年に廃校になっています。
港の向こうには、蕨小島がちょこんと浮かんでいるのが見えました。
折紙展望台 久賀島と周辺の島々を一望できる絶景展望台
11:20
久賀島一の絶景スポットと名高い折紙展望台にやってきました。県道から細い山道を登っていく必要があり、秘境感漂う場所です。旧五輪教会堂では何組かの観光客と出会いましたが、ここまで足を伸ばしている方はなかなかいないようです。
なお、折紙展望台の駐車スペースは、車一台が停められる程度の小さいもの。あまり多くの人が来ることは想定されていないようですね。しかしここからの景色がとても素晴らしかったのです。
小さな駐車スペースから急な坂道を1~2分登ると、折紙展望台に到着します。この展望台は島民の手によって造られたそう。
こちらが折紙展望台からの景色です。
「これぞ五島!これぞ長崎!」と言いたくなるような複雑な海岸線を見下ろすことができます。海岸が入り組みすぎていて、どれがどの島か、判別できないほど。
港の向かいに浮かぶ小さな島が蕨小島、真ん中辺りに横たわる細長い島が奈留島、さらに奥にうっすらと見えるのが中通島の南端部でしょう。島好きとしては、蕨小島がこんなによく見えるというだけで、訪れる価値がある展望台だと思います。
展望台から南の方角を眺めてみました。島の中央部まで食い込んだ久賀湾を見ることができます。左下に見えているのは、クルマエビの養殖場ですね。
折紙展望台。アクセスが少し大変ですが、素晴らしい景色が独占できる穴場の展望台だと思います。
牢屋の窄 殉教者42名、凄惨な弾圧が行われた場所
11:40
続いて訪れたのは久賀島の中心に程近い場所にある牢屋の窄。
明治6(1873)年に禁教が解けるまで、厳しい弾圧が続いた日本におけるキリスト教。その歴史の中でも、非常に凄惨、そして最後の弾圧が行われたのがこの場所です。
この場所が、拷問が行われた牢屋の跡地。6坪程の牢屋に老若男女問わず200名もの信者が押し込められ、8ヶ月もの間拷問が行われました。結果として42名もの信者が亡くなりました。
この事件がきっかけで日本は諸外国から非難されることとなり、ようやく信仰の自由が認められるようになったのです。
亡くなった信者の数だけ石碑が並べられており、石碑には信者の名前、年齢、死因、最後の言葉などが掘られています。実際に石碑を読むだけでも、凄惨な状況が伝わってくる気がしました。いや、実際には、平和に暮らしてる我々が想像すらできないような壮絶さだったのでしょう。
隠れキリシタンの関連遺産を巡るのであれば、この場所は訪れた方が良いと思います。
浜脇教会 久賀島南部にある存在感のある教会
11:50
レンタカーを返却する前に、一旦島の南側まで行き、浜脇教会に立ち寄りました。久賀島に向かう船の中から見えた浜脇教会の姿が非常に素敵だったので、最後に立ち寄っておきたかったのです。
少しメルヘンチックな印象も受けるトンガリ屋根の教会。
浜脇教会は1881年に完成しましたが、当時は木造の建物でした。信者の数の増加や台風に備えるため、1931年に現在のコンクリート造りの教会に。五島列島初のコンクリート製の教会なんだそうです。【前編】でも述べましたが、改築前の木造の教会堂は移築され、五輪教会として生まれ変わりました。
旧五輪教会堂の陰に隠れがちですが、非常に教会らしく、存在感のある建物ですね。
さらば久賀島
12:10
久賀島の中心にある久賀島レンタカーに戻ってきました。車を借りてから約2時間10分。非常に慌ただしいドライブになってしまいました。やはり久賀島くらい大きな島になると半日くらいは欲しいですね…。
スタッフのお兄さんが運転する軽自動車に乗り、田ノ浦港に戻ります。ここでお兄さんから思いもよらぬ一言。
「浜脇教会には行かれましたか?」
「え…最後に立ち寄りましたが?」
「寄れたのであれば良かったです。大体のお客さんは時間が足りなくて浜脇教会に立ち寄れないので、帰りの送迎の途中に浜脇教会に寄ってあげているんです。」
なんですと!無理して浜脇教会に寄らなくても良かったー!
まぁ…こればっかりは仕方ないですね…。
12:30
ちょうど3時間の滞在が終わり、久賀島を去ります。送迎のお兄さんに礼を言ってから軽自動車を下り、船上の人に。
行きの船は大混雑でしたが、帰りの船はそこまででもありませんでした。ツアーの団体さんが久賀島から海上タクシーで直接奈留島に向かったので、その分減ったのでしょう。
久賀島を後にし、余韻に浸る間もないまま、あっと言う間に福江島が見えてきました。近いですね。鬼岳の稜線と港周辺のビル群。久賀島から戻ると、まさに大都会…!
福江港に到着する直前。背後から長崎港からやってきたジェットフォイルが迫ってきました。こちらは定員66名の小さな船、向こうは定員257名のジェットフォイル。高速で巨大なジェットフォイルが船体を大きく傾けながらこちらに迫ってくるのです。気分はサメに追われる小魚。
これは追い抜かれるかと思いきや、流石にジェットフォイルも減速。ほぼほぼ同時に福江港に入港しました。五島列島一のターミナル、福江港ならではの光景ですね。
12:50
福江港に到着。
次に乗る船は向かいの桟橋に停泊している「フェリーOCEAN」。出港は10分後の13:00。
接続をとってくれるのかどうか不安でしたが、無事に乗り換えることができました。
次回は久賀島の1つ北にある島、奈留島でのドライブを楽しみます。

五島列島旅行記【3-3】奈留島で唐揚げちゃんぽんを食べた
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|投稿:2022.08.29 | 最終更新:2022.09.08 |カテゴリ: 旅行記