硫黄の香りがする海の温泉地 下風呂温泉坪田旅館に泊まってみた(青森県風間浦村)
本州最北の地、下北半島。北海道を間近に望むこの地に、良質なお湯が湧く温泉地があります。
それが風間浦村にある下風呂温泉。
下風呂温泉は下北半島の北部、津軽半島を望む海岸沿いにある温泉地です。以前訪れたことがあるのですが、その時は共同浴場で入浴しただけで宿泊はしませんでした。硫黄の香りがするお湯が素晴らしく、また海鮮料理も非常に美味しいと評判なので、いつかは泊まりで訪れてみたいと考えていました。
2022年の8月、ついに念願かなって下風呂温泉に泊まる機会が訪れました。今回宿泊したのは坪田旅館。この記事では坪田旅館に泊まった時の様子、坪田旅館のお風呂や食事などについて紹介したいと思います。
下風呂温泉坪田旅館に宿泊した
今回宿泊した坪田旅館は下風呂温泉の温泉街にある旅館。下風呂温泉の温泉街は津軽海峡に面したわずかな平地に広がっており、ホテルや旅館がビッシリと立ち並んでいますが、坪田旅館はその中でも最も山側に位置しています。
こちらが坪田旅館です。
国道279号線から温泉街に入る細い道に入り、山側に向かって坂を登り切った場所に建っています。2階建ての比較的小さな旅館で、アットホームな雰囲気が魅力です。
坪田旅館のお風呂
下風呂温泉の宿に泊まったら、何よりも楽しみなのが温泉。下風呂温泉には「大湯系」、「新湯系」、「浜湯系」という3つの源泉が湧いていますが、坪田旅館は「新湯系」の源泉を引いている旅館です。
坪田旅館の浴室は半地下にあります。
こちらが浴室です。
浴室…いや、脱衣場に入った瞬間に鼻孔を刺激する硫黄の香り。そこまで強い香りではなく、比較的マイルドな感じ。湯船には白濁したお湯がかけ流されています。男女それぞれ、湯船が1つずつというシンプルな造りですが、お湯とじっくりと向き合うためにはこれぐらいシンプルで十分でしょう。
浸かってみると、お湯は結構熱め。水でうめることは可能ですが、まずは湯かき棒でお湯をかき混ぜてみましょう。水面あたりだけ熱くなっていることもあるので、よくかき混ぜれば入浴できる温度になると思います。
体が温まりやすいお湯なので、無理して長湯はしないよう注意が必要。僕も長湯はせず、その代わりに、滞在中に何度も入浴しました。
坪田旅館の食事
目の前の津軽海峡で捕れた新鮮な魚介類をいただけるのも下風呂温泉に宿泊する醍醐味。坪田旅館でも夕食、朝食ともに美味しい海の幸を食べることができます。
夕食
こちらが坪田旅館の夕食です。
ご覧のとおり、お盆に乗りきらないほどの海の幸が並びます。
刺身盛り合わせとカレイの煮付け。刺盛りに入っていたエビが、大ぶりで食べ応え抜群でした。
そして珍味4品。
あん肝、タコのワサビ漬け、ウニ、ホヤの酢の物。どれも産地ならではの味。お酒が否が応でも進みます。
メインはアワビステーキ。磯の香りとバターの旨味、そしてアワビの歯ごたえがたまりません。歯ごたえが似た食材として、エリンギも一緒に焼かれていますが、こちらも美味。
アワビステーキが食べ終わると、鉄板が下げられ、次なる料理が…。イカのちゃんちゃん焼きです。イカが有名な下風呂ならではの料理。
それにしても焼き物ポジションの料理が2品出てくるのは凄いですね。
他にもホタテ、ニシンなども出され、大満足な夕食となりました。
朝食
こちらが坪田旅館の朝食。朝食とは思えないほど豪華です。
青森の郷土料理である貝焼き味噌。ホタテや海藻が入った味噌味の鍋に生卵を落とし、混ぜながらいただきます。朝からこういった郷土料理が出るのは嬉しいですね。
イカ刺しとマグロ刺し。
下風呂と言えばイカが有名。昨夜はちゃんちゃん焼きでしたが、朝は刺身。下風呂温泉の宿の朝食と言えば、イカ刺しが定番なんだそうです。透き通るような身のイカは絶品でした。
マグロの刺身は本来夕食に出すべきだったものだそう。うっかり出し忘れたため、朝食に登場しました。これも非常に美味しかったです。
夕食のマグロが出てくるという嬉しい誤算はありましたが、とても豪華な朝食でした。
坪田旅館の部屋
こちらが坪田旅館のお部屋。今回は2人用の小さめの和室でした。
エアコンが無く、扇風機のみでしたが、涼しい地域なので全く不快感はありませんでした。トイレや洗面所は共同ですが、その他はWi-Fiやテレビなど最低限の物が揃っており、不便することなく過ごすことができました。
メモリアルロードの足湯を堪能する
下風呂温泉を訪れたら是非とも立ち寄って欲しい場所があります。
それがこちら、メモリアルロードの足湯です。坪田旅館からは徒歩4~5分で訪れることができます。
こちらの足湯、見た目は完全に駅。プラットホームに加え、レールまで敷かれています。この場所には、戦前に建設が進んでいた国鉄大間線の下風呂駅ができる予定でした。戦時中の資材不足のため建設は中止されてしまったのですが、既に完成していた高架橋等を利用した遊歩道が整備され、下風呂駅の予定地には足湯が設置されました。
プラットフォーム上には駅名標も設置されており、本当の駅のよう。
そしてメインの足湯は下風呂温泉らしい硫黄の香り漂う白い濁り湯。熱すぎず、温すぎず、気持ちの良い温度でした。屋根も付いているため、雨天でも足湯が楽しめるのが嬉しいですね。
足湯から眺める下風呂温泉街。こうして高架橋の遊歩道を見ると、レールさえ敷かれていれば、今にも列車がやってきそうな気配すら感じます。「たられば」になりますが、万が一大間線の建設が順調に進んで入れば、鉄道で下風呂温泉を訪れることができたのかもしれませんね。
坪田旅館へのアクセス・駐車場情報
車でのアクセス
■大間崎から国道279号線等を経由して約30分
■下北半島縦貫道の横浜吹越ICから国道279号線等を経由して約1時間30分
車は宿の前に数台駐車することが可能です。
旅館の50m程手前に共同の駐車スペース(上のストリートビュー)がありますので、宿の前が満車の場合はこちらを利用しましょう。
バスでのアクセス
■JR大湊線の下北駅から下北交通の路線バス佐井線に乗車し、約1時間10分。「下風呂温泉」停留所で下車。
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|投稿:2022.11.09 | 最終更新:2022.11.09 |カテゴリ: 青森県