甑島列島旅行記【序章】甑島列島の魅力・行き方
2022年の7月、鹿児島県の離島、甑島列島を旅してきました。
甑島列島は、同じ鹿児島県内にある屋久島や奄美大島、種子島程は知名度が高くなく、僕自身も離島に興味を持つようになるまではあまりイメージが湧かない島でした。しかし、調べれば調べる程魅力的な島だということが分かり、行ってみることにしてみたのです。
「甑島列島」の名前を初めて聞く方もいらっしゃると思いますので、旅行記を始める前に、本記事で甑島列島の概要や魅力、行き方などを紹介したいと思います。
甑島列島とは
甑島列島は、鹿児島県の西側に広がる東シナ海に浮かぶ島々。九州本土から20~50km程離れた沖合に、南北に延びる細長い列島です。3つの有人島と無数の無人島から構成され、全域が鹿児島県薩摩川内市に属しています。
甑島列島の詳しい地図を見てみましょう。先述した3つの有人島とは、北から上甑島、中甑島、下甑島。非常に分かりやすいネーミングですね。
かつてはこの島々の間には橋がかかっておらず、3つの島の間の往来には船を使う必要がありました。しかし1994年に甑大明神橋と鹿の子大橋という2本の橋が完成したことにより、上甑島と中甑島が結ばれました。さらに2020年に中甑島と下甑島との間に長さ1500mを超える甑大橋が完成。3つの島は1本の道路で結ばれることになったのです。
元々甑島列島が高いポテンシャルを持っていた島だったこともありますが、この橋の開通により、旅行地として注目を浴び始めることになるのです。
…というわけで、次の章で甑島列島の魅力を紹介したいと思います。
甑島列島の魅力
前の章でも述べましたが、甑島列島の3つの島を結ぶ橋は、甑島列島を訪れるうえでの大きな魅力の1つと言えるでしょう。
上甑島と中島(無人島)を繋ぐ甑大明神橋(左上)。
中島(無人島)と中甑島を繋ぐ鹿の子大橋(右上)。
そして中甑島と下甑島とを繋ぐ甑大橋(下2枚)。
どれも個性的で、橋自体が観光地と言っても過言ではないでしょう。橋のデザインもさることながら、橋から眺める海も最高。どちらの橋の近くにも駐車スペースがあるため、渡るだけではなく橋の上からの景色を楽しむのも良いでしょう。
ダイナミックな地形も甑島列島を語るうえでは欠かせません。
見事な砂州が形成された上甑島の長目の浜(左上)、陸繋砂州(トンボロ)上に形成された上甑島の里集落(右上)、圧倒される断崖絶壁が連なる下甑島の鹿島断崖(左下)、本邦屈指の大きさを誇る巨岩、ナポレオン岩(右下)などなど。小さな島とは思えない程、スケールが大きく、他ではなかなかお目にかかれない珍しい地形が楽しめるのです。
甑島列島で見るべきなのは自然だけではありません。
上甑島の里集落(上2枚)、下甑島の手打集落(下2枚)には、立派な武家屋敷集落が残っています。見事な石垣と生垣が両脇に連なる街並みは、一見の価値あり。車を停め、是非とも歩いていただきたい街並みです。
新鮮な海の幸も甑島列島の魅力の1つ。
離島ゆえ、決して飲食店が多いわけではありませんが、島の寿司屋、さらには宿では近海で採れた新鮮な魚介類をいただくことができます。名物はなんと言ってもキビナゴ。小さな魚ですが、刺身で食べても焼いて食べても美味しいです。
さらにはマグロが美味しい寿司屋「寿し膳 かのこ」も、是非とも立ち寄りたい人気店です。
最後に挙げておきたいのがカノコユリ。
九州や四国、台湾や中国に分布するユリ科の花です。国内で最もよく見られるのが甑島列島なんだとか。7~9月に花を咲かせるカノコユリ。気になる方はこの時期を狙って島を訪れるのがおススメです。
甑島列島への行き方
甑島列島へのアクセス方法について紹介します。
甑島列島と九州本土との間には橋は架かっておらず、また島には空港がないため、船が唯一のアクセス手段になります。船には2種類があり、高速船とフェリーがあります。それぞれ発着港が異なるため、注意が必要です。
詳しい時刻表や運賃は甑島商船のホームページをご覧ください。
高速船 川内⇔里・長浜
最も短時間で九州本土と甑島列島を結んでいるのが高速船。九州本土の川内港と上甑島の里港、下甑島の長浜港との間に1日2往復運航されています。午前中の便は川内→里→長浜→川内という順番に、午後の便は川内→長浜→里→川内という順番に寄港。どの順番で寄港する便に乗るかにもよりますが、九州本土からの所要時間はフェリーよりも30分程度短いです。その代わり、運賃はフェリーよりも1,000円以上高くなります。
運賃は少し高めですが、高速船は、JR九州の列車のデザインも手がけている水戸岡氏がデザインしたオシャレな船。せっかく甑島に行くのであれば、少し奮発するというのも良いかもしれません。
川内港へはJR川内駅から高速船の発着時間に合わせてシャトルバスが出ています。川内駅から川内港までの所要時間は約30分です。
フェリー 串木野⇔里・鹿島・長浜
高速船よりも少し時間はかかりますが、運賃が安く、さらには自動車やバイクを乗せることができるのがフェリー。フェリーはいちき串木野市の串木野新港と里港(上甑島)、鹿島港(下甑島)、長浜港(下甑島)を結んでおり、1日2往復運航されています。鹿島港には午前の便しか寄港しないので、注意が必要です。
※2023年4月より、フェリーは鹿島港に寄港しなくなりました。
※2023年4月より、フェリーは鹿島港に寄港しなくなりました。
串木野新港へは鹿児島中央駅、串木野駅、川内駅からバスでアクセス可能です。詳細は以下のとおりです。
■鹿児島中央駅から高速バス「こしきじま号」に乗車し、約1時間。
■串木野駅から串木野新港線に乗車し、約12分。
■川内駅から串木野新港線に乗車し、約30分。
今回の旅程
旅程とザックリとした金額(金額は大人2人分)はこんな感じ。薩摩川内市に前泊し、2泊3日で甑島列島を巡りました(3日目は移動日なので、甑島観光に使えたのは実質的には2日間)。島がそこまで大きくはないため、2日間あれば十分に周遊可能です。アクティビティを行いたい場合は、もう少し余裕を見た方が良いかもしれません。
僕が訪れた時には「こしきまる旅フリーチョイス」という、宿泊助成付きのパックが売り出されていたので、こちらを利用。パックには往復の船の運賃、宿泊代、レンタカー代および島でのアクティビティ代が含まれており、とてもお得でした。
それでは次回の記事から、旅行記を開始したいと思います。甑島列島への旅をしようと考えている方の参考になれば幸いです。
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|投稿:2023.02.27 | 最終更新:2023.05.14 |カテゴリ: 旅行記