甑島列島旅行記【2-5】ナポレオン岩を望む集落、瀬々野浦
2022年7月18日(月) |
本日は甑島列島旅行の2日目。夕暮れが近づいており、甑島列島の旅も佳境に差し掛かりつつあります。そろそろ本日の宿がある下甑島西海岸の瀬々野浦集落へ向かいましょう。
しんきろうの丘 医師が中国大陸の幻を見た峠
15:30
下甑島の背骨とも言うべき尾根上にあるしんきろうの丘にやってきました。
かつて甑島列島に車道が無く徒歩で山越えをしていた頃、東海岸の青瀬集落の医師が、西海岸の瀬々野浦集落へ往診に行く際、この場所から、水平線に浮かぶビル群を見たのだと伝えられています。そのビル群とは、遥か西方に位置する中国の上海のビル群だと言われています。
甑島列島からユーラシア大陸までは700km以上。いくら蜃気楼と言えども、さすがに現実味が無い距離ですよね…。
しんきろうの丘からは、甑島列島の屈指の景勝地であるナポレオン岩を見下ろすことができます。
ナポレオン岩は高さ127mという、とんでもない規模を誇る巨岩。この場所からはかなりの遠望になりますが、それでも強烈な存在感を放っていました。
これから、ナポレオン岩を望む集落、瀬々野浦へと下っていきます。
前の平展望所からナポレオン岩を望む
15:40
下甑島の西海岸にある前の平展望所にやってきました。ここは瀬々野浦集落を見下ろす高台に位置しており、国内屈指の規模を誇る巨岩、ナポレオン岩を眺めることができる展望台です。
こちらが前の平展望所。ギリシャ神殿を思わせるフォルムの展望台。屋根の部分に登ることができます。
こちらがナポレオン岩です!
高さ127m。下甑島西海岸の海中からそそり立つ巨岩です。海に囲まれた日本では、海中からニョキッと生えた岩は星の数ほどありますが、ナポレオン岩はその中でも国内屈指の規模を誇ります。
漫画だと「ゴゴゴゴゴ・・・」というオノマトペが描かれそうな程の迫力…。前の平展望所からナポレオン岩までは1km以上も離れていますが、それでも圧倒されそうな迫力があります。
向かって左側には鼻のような出っ張り、頂上には髪の毛か帽子を思わせる樹林帯、もみあげや耳のようなものも見えます。ナポレオンに見えるかどうかはさておき、人の横顔には見えますね。
ちなみにこのナポレオン岩、ロッククライミングで登頂した人が数名いるようです。波打ち際が切り立っており、上陸するだけでも至難の業だと思いますが、世の中には想像を絶する人もいるものですね。
前の平展望所からは瀬々野浦集落を一望することができます。
下甑島では数少ない西海岸の集落の1つ、瀬々野浦。四方を山と海に囲まれた猫の額ほどの平地に、約100名が暮らしています。フェリーが寄港する長浜地区へ行くためには標高400mを超える細い峠道を通る必要があり、下甑島の中でも秘境の集落として知られています。
瀬々野浦の漁港。防波堤の外側には、奇岩がいくつも建ち並んでいます。ナポレオン岩を見た後では印象が薄れてしまいますが、こちらもまた見応えがある岩ですね。
前の平展望所には7~8台分の駐車場と公衆トイレが設置されていました。
瀬々野浦集落を歩く
今夜の宿、「民宿浦島」がある瀬々野浦地区を散策してみました。
先述したように瀬々野浦は人口約100人の小さな集落。郵便局、小さな商店、そして2軒の民宿がある他は民家が身を寄せ合うように建ち並ぶ静かな集落です。
漁村ではネコに出会いがちですが、瀬々野浦でもネコたちと遭遇。三匹とも思い思いの姿勢でおくつろぎ中でしたが、目線をこちらに向けてくれました。
集落の裏手の山際には小学校の跡があります。西山小学校跡。2012年に山向こうの長浜小学校に統合され、約130年の歴史に幕を下しました。
訪れた当時、廃校から10年が経過していましたが、まるで現役の学校のような佇まい。廃校になった後も大切にされていることを窺い知ることができました。
西山小学校跡からは瀬々野浦集落と東シナ海、そしてナポレオン岩を見晴らすことができます。まるで箱庭のようにこじんまりとした集落と、その背後で強烈な存在感を放つナポレオン岩。
我々のような旅行者にとっては驚きの対象であるナポレオン岩も、瀬々野浦の人々にとっては日常の光景なのでしょう。
次回は瀬々野浦の宿、「民宿浦島」を紹介します。
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|投稿:2023.05.30 | 最終更新:2023.05.30 |カテゴリ: 旅行記